「昨年は苦労して刈り取りを迎えたのに、一瞬にしてやられ無念だった。今年は平穏無事に収穫したい」と、京都府福知山市戸田の福山正昭さん(70)は話す。代表を務める農事組合法人「遷喬(せんきょう)ふぁーむ」では今、田植えの真っただ中だ。昨年9月中旬に日本を襲った大型の台風18号では、由良川の堤防が決壊し、広範囲で家屋や圃場などが浸水。遷喬ふぁーむでは稲刈り時期に水害に遭い、収穫皆無の圃場があるなど多大な被害を受けた。ボランティアの協力を得てがれきを除去し、水田50ヘクタールのうち6ヘクタールを除いて復旧。法人と地域の農家が栽培する農産物を販売する直売所も営業を再開している。
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〈写真:代かきを確認する正昭さん(左)と大槻さん。遷喬ふぁーむでは、3集落の水田の95%を集積している〉