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今週のヘッドライン: 2025年03月 3週号

5年後目標、自給率45%に 食料・農業・農村基本計画案(1面)【2025年3月3週号】

 農林水産省は12日、新たな「食料・農業・農村基本計画」の本文案を自民党農林関係合同会議で示した。改正食料・農業・農村基本法で掲げる食料安全保障の確保に向け、2030年までの食料自給率目標は、供給熱量(カロリー)ベースは現行基本計画と同じ45%に設定(23年度38%)。生産額ベースは69%(同61%)とし、新たに摂取熱量ベースの目標を設定する。農地は24年現在の427万ヘクタールに対し、412万ヘクタールの確保を目標とした。米は輸出量を4万4000トンから39万6000トンへ引き上げ30年に818万トン(23年791万トン)を生産して生産基盤を維持し、小麦は137万トン(109万トン)、大豆は39万トン(26万トン)に生産拡大を図る。

(1面)

米価上昇「やむを得ない」5割 政策公庫の消費者調査(2面・総合)【2025年3月3週号】

 日本政策金融公庫は13日、2025年1月に行った米の購入に関する消費者動向調査結果を公表。昨年8月以降の米価上昇について「納得していないがやむを得ない」が46.1%で最も多く、「厳しいが納得している」(28.1%)と「気にしていない」(14.5%)を加えると約9割に上った。「受け入れられない」は11.3%だった。

(2面・総合)

農機具共済で備えを 大型の導入増加で高まるリスク(3面・農業保険)【2025年3月3週号】

 春作業が本格化するこの時期、稼働前の点検整備など農機具の安全な使用を心がけたい。そして農機具共済への加入で事故や自然災害に備えることも大切だ。農機具共済は、衝突や接触など稼働中の事故や格納中の盗難、近年多発する自然災害による損害など、さまざまなリスクから農家の資産である農機具を守り、営農を支える。規模拡大で大型農機の導入が増える中、もしもの損害が発生しても、充実した補償で修理や買い替えの費用負担を軽減でき、早期の営農再開を後押しする。

(3面・農業保険)

未来農業DAYs 挑戦続ける女性農家を表彰(5面・すまいる)【2025年3月3週号】

250303_4c.jpg 2024年度の農山漁村女性活躍表彰の表彰式とフォーラムが先ごろ開かれた未来農業DAYs(同実行委員会主催)で行われた。四つの個人・団体が農林水産大臣賞を受賞した。このうち女性が働きやすい職場環境や制度の整備、農業の魅力を次世代につなぐ取り組みを実践する女性活躍経営体部門と若手女性チャレンジ部門の受賞事例を紹介する。また、若者の革新的なアイデアを競うコンペ部門でグランプリとなった事例概要も紹介する。

(5面・すまいる)

〈写真上:小林さんは農業の魅力を発信する活動などが評価された〉
〈写真下:管理職に女性を起用するなど女性の活躍が評価された吉田さん〉

適期播きで反収向上 WCS用稲に立毛間播種(9面・営農技術・資材)【2025年3月3週号】

 日本草地畜産種子協会はこのほど全国飼料増産シンポジウムを開いた。事例として鹿児島県伊佐市のコントラクター(作業受託組織)・株式会社グリーンネットワークとどろきによる、ドローン(小型無人機)を利用した発酵粗飼料(WCS)用稲とイタリアンライグラスの稲立毛間播種の取り組みが紹介された。

(9面・営農技術・資材)

大規模稲作に乾田直播導入【岡山県・3月3週号】

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 【岡山支局】乾田直播栽培に力を入れた米作りに取り組む、美作市の浜田英昭(はまだ・ひであき)さん(41)。主食用米5.6ヘクタール、米粉用米8.6ヘクタール、酒米14.5ヘクタールの合計28.7ヘクタールを栽培する。「作業の分散や、作業時間の短縮が可能な乾田直播栽培は、とても自分に合うと感じている」と話す。

〈写真:「今は約10ヘクタールで乾田直播を実施している。移植栽培との品質差はほとんどない」と話す浜田さん(左)と事務員の谷口美穂(たにぐち・みほ)さん〉


春キュウリ「モンドール」 3月上旬に収穫【新潟県・3月3週号】

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 【新潟支局】燕市吉田本町地区のブランドキュウリ「もとまちきゅうり」を生産する加藤達男(かとう・たつお)さん(66)は、所有するハウス3棟で栽培している。「春キュウリの収穫シーズンを迎えました。今年も良い出来です」と話す。
 もとまちきゅうりは、加藤さんが組合長を務める「本町そ菜出荷組合」が2013年にブランド化。甘みがあり、柔らかな食感と爽やかな香りが特徴だ。
 加藤さんは、収穫期別に春キュウリと夏秋キュウリに分けて年間2回の作付けを行っており、品種特性を加味し、春と夏秋で栽培品種を変えている。春キュウリは品種「モンドール」を栽培。他の品種と比べて味は良いが、病気や急激な温度変化に弱く、栽培管理が難しいため、生産者は少ないという。

〈写真:「春キュウリを味わってください」と加藤さん〉

米作り・子育ての二刀流【埼玉県・3月3週号】

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 【埼玉支局】久喜市の吉田翔子(よしだ・しょうこ)さん(38)は、夫の両親である正行(まさゆき)さん(73)と豊子(とよこ)さん(72)と共に、水稲「彩のきずな」など3品種を25ヘクタールで栽培。農業に従事しながら子供2人の育児に励む。「農業と子育てを両立できるよう努めています。サポートしてくれる義両親に感謝しています」と話す。

〈写真:トラクターの前で吉田さん〉

規格外「ラ・フランス」 料理人と組んで加工品【山形県・3月3週号】

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 【山形支局】「規格外品も正規品と同じく大事に育てたもの。料理人や学生が関わって作り上げた商品をぜひ味わってほしい」と話すのは、南陽市法師柳の「合同会社長谷部農園」代表・長谷部翔太さん(37)。赤湯温泉松島館の料理長・国井喜幸(くにい・よしゆき)さんとタッグを組み、西洋ナシ「ラ・フランス」の規格外品を使ったコンフィチュール「laugh ture(ラフチュール)」を2024年12月から販売する。「今年開催される山形フルーツ150周年イベントと併せて、山形のフルーツを全国にPRしたい」と意気込む。

〈写真:長谷部さん(左)と料理人の国井さん〉

防風林「おごれる者は久しからずか【2025年3月3週号】」

 ▼トランプ氏が米大統領に復帰して2カ月になる。この間の言動は世界的に物議を醸す内容が多く、日本のマスコミは"トランプ砲"と名付けて報道する。名指しで批判する場合の破壊力は圧倒的で認識が間違っていても反論の余地を与えないから困りものだ。
 ▼特に懸念されているのは、気候変動対策の国際枠組みである「パリ協定」からの離脱だろう。第1次政権でも離脱を表明したが、バイデン前政権に代わって復帰を決め、実質的な影響はなかった。今回は表明から1年で正式離脱となるので逃れられない。
 ▼米国は世界2位の温室効果ガス排出国であり、しかも大統領自ら化石資源を「掘りまくれ」とあおる。国際協調を図って進められる温暖化対策の後退は確実な情勢だ。温室効果ガスの排出量増加だけでなく、温暖化に起因する災害の頻発激甚化が心配だ。
 ▼ただ、振り幅が極端なほど反動も大きいもの。マイナス面の影響表面化に加え、米国第一主義の影響回避に各国も連携を強めるはず。投げかけられる難題への対応を通じ、次の段階へ進む道が開けると信じている。

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