今週のヘッドライン: 2025年02月 3週号
山形県では自治体やJAなどが連携し、バイトアプリを介して数時間から1日単位の人手確保を推進する「やまがた農業ぷちワーク」を展開する。2024年度4~9月の求人・求職の成立人数が延べ1万4632人と、前年同期比1.4倍に急拡大している。天候や作業量に応じた流動的な募集が可能になり、農業経験が少ない若手や子育て世帯などにも募集の間口が広がって正規採用につながる例も出てきた。働く側が各農場を評価できる仕組みがあり、継続的な人手確保に向け、職場環境や作業説明など受け入れ体制の改善を促す。
農林水産省は13日、自民党農林関係合同会議に、合理的な費用を考慮した価格形成の仕組みを整備する食品等流通法などの改正案骨子を示した。売り手と買い手双方に費用などを考慮する「努力義務」を規定。国は努力義務に対応する「行動規範」(判断基準)を省令で示すほか、コスト指標作成団体を認定して指定品目のコスト指標を公表する。食品などの取引の実態を調査するとともに、取り組みが不十分な場合は必要な指導・助言、勧告・公表を行う。政府は改正法案を3月中の国会提出を予定する。丁寧な議論を徹底し、実効性ある仕組み作りが求められる。
農林水産省は10日、「茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針」の見直しに向けた有識者会議を開き、3月末に策定する新たな方針の骨子案を示した。茶の輸出額が過去最高を更新するなど拡大する海外需要への対応を重視し、取引単価の高い抹茶の原料となるてん茶への茶種や有機栽培への転換、生産性の向上などを推進する方針を打ち出した。生産者が減少する中で需要に応じた茶生産の維持を図り、茶園の集積・集約化や基盤整備、茶樹の改植やスマート農業技術の開発・導入などを進める。
確定申告が17日から始まった。収入保険の加入者は、保険金等の見積額を算出し、受け取る見込みがある場合、青色申告決算書の損益計算書に記載が必要だ。確定申告に向けた準備や保険金等の請求方法などについて、稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。
分電盤の点検を持ちかけて必要のない交換を迫り、高額な契約を結ばせる「分電盤の点検商法」が急増しているとして、国民生活センターや経済産業省が注意を呼びかけている。2024年4~11月にセンターに寄せられた同商法に関する相談件数は461件で、23年同期に比べ約25倍に増加。実際に契約した人の約8割は70歳以上で、特に高齢者が狙われる傾向がある。トラブルの未然・拡大防止へ、センターへの相談事例と対応策などを紹介する。
関東農政局は1月29日、高温条件に対応した水稲作をテーマに、オンラインによる会議を開催した。夏季の高温などの影響で、水稲の品質低下やイネカメムシの被害拡大が報告されている。特に斑点米だけでなく不稔〈ふねん〉を引き起こすイネカメムシについて農研機構中日本農業研究センター転換畑研究領域栽培改善グループの石島力上級研究員が、生態や移動パターンなどをもとに、効果的な防除や耕種的な対策などを説明した。
【埼玉支局】さいたま市は、株式会社クボタ(本社・大阪市)と連携し、2024年3月から農機のシェアリングサービスに取り組んでいる。高価な農機をレンタルできる仕組みを導入し、新規就農者の負担軽減を図る。利用者からは「必要な時に必要なだけ利用できて便利」「購入前に試用できる」と好評だ。
利用者は「クボタ農機シェアリングサービス」のホームページ(HP)から会員登録を行い、スマートフォンなどから1時間単位でレンタル予約ができる。利用料金は機種ごとに異なり、トラクターとロータリーのセットでは1時間当たり4180円。燃料費や保険料などを含む。料金は今後変更する場合がある。
〈写真:トラクターを利用する石井梨乃さん(27)。「普通自動車免許で公道走行可能なサイズで、操作もしやすい」〉
【山形支局】村山市田沢の株式会社久里栄人(くりえいと)(従業員3人、スイカ1.7ヘクタール、サトイモ50アール、サツマイモ10アール)では「温泉入浴米」の消費拡大と冬季の収入を得るため、おにぎり販売をメインとしたキッチンカー事業を展開している。
温泉入浴米とは温泉の源泉を利用して種もみの温湯処理を施して栽培された米。2024年2月1日に設立された同社は、同月27日に温泉入浴米のおにぎりを提供するキッチンカー事業を開始した。主に県内のイベントに出店する。
おにぎりのメニューはサケや梅、ゆで卵、肉巻きおにぎりなど。価格は220~450円で、多い時は1日で7升(約12.6キロ)分を握ったこともあるという。
〈写真:購入者におにぎりを手渡す赤松和彦代表(55)〉
【奈良支局】広陵町で「老舗農家乾」を営む古川敏之さん(34)、真知さん(33)夫妻は30アールで栽培するナスをジェラートやジャムなどに加工している。
一般社団法人奈良県調理師連合会から「ナスを使った特産品ができないか」と提案があり、そうめんやジャムなどの加工品を次々と共同開発。昨年、新商品の「なすじぇらーと」の販売を開始した。
〈写真:「自慢のナスを多くの人に味わってほしい」と古川さん夫妻〉
▼集荷競争の過熱で2024年産主食用米の流通が停滞しているとし、農林水産省は、政府備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しを実施する。流通を円滑化して高騰する米価格の沈静化を図る考えだ。12月までの24年産米の相対取引価格は60キロ当たり2万3715円と、出荷・卸売業者間の取引で比較可能な1990年以降の最高額を超えた。
▼以前の最高額は大冷害で作況指数74となった93年の2万3607円だ。ただし、その前年は101の平年作で2万2813円。90年産~96年産は2万円台を維持しており、基本的な米価水準が高かったといえる。
▼相対価格の公表が始まった2006年産以降、平均価格は1万2000円~1万5000円と低位の推移となった。大規模経営なら利益が出ても小規模経営では赤字になる水準で、水田を荒らしたくないと頑張る農家の姿が浮かぶ。
▼主食用米の消費減少に伴い、米生産量は減り続けてきた。今回の流通停滞の要因に減産の影響を指摘する声もある。水田政策の見直しで米の需給と価格の安定は真に実現できるのか。正念場だ。