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今週のヘッドライン: 2025年01月 4週号

オーガニックビレッジ 地域ぐるみ有機拡大(1面)【2025年1月4週号】

 地域ぐるみで有機農業を推進する「オーガニックビレッジ」に取り組む市町村が増えている。農林水産省によると、これまで45道府県131市町村(昨年12月27日現在)が取り組みをスタート。11月15日までに88市町村が実施計画を策定して実行に移すオーガニックビレッジ宣言を行っている。16日に開かれた「オーガニックビレッジ全国集会」では、一層の有機農業推進に向け、自治体や流通事業者などによる先進事例が報告された。2025年に100市町村とした目標を前倒しで達成し、30年までに200市町村の創出を目指す。オーガニックビレッジの現状、有機農業を巡る情勢などをまとめた。

(1面)

農業関係でも被害発生 青森県など記録的大雪(1面)【2025年1月4週号】

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 日本海側を中心に記録的な大雪となっている。青森県は4日付で大雪では約13年ぶりとなる災害救助法を10市町村に適用し、住居の除排雪など災害対策や被災者の支援に努めている。同県での11月からの累積降雪量(19日現在)は、深浦町深浦で平年比178%の167センチ、野辺地町野辺地で174%の303センチ、青森市青森で160%の450センチなどとなった。

(1面)

〈写真:リンゴ園地では枝折れなどの被害も懸念されている〉

次期基本計画骨子案 各施策に目標設定へ(2面・総合)【2025年1月4週号】

 農林水産省は22日、食料・農業・農村政策審議会企画部会を開き、3月に策定する次期食料・農業・農村基本計画の骨子案を示した。改正食料・農業・農村基本法に基づき、食料供給や輸出の促進、持続可能な食料システムなど五つのテーマを設定。具体的な施策の方向性を記述した。基本計画の実効性を高めるため、毎年進捗(しんちょく)を管理し改善を図る方針を打ち出し、食料自給率目標に加え、担い手への農地集積率や肥料資源の国内資源利用割合、スマート農業技術を活用した面積割合など新たな目標や施策の有効性を評価する指標(KPI)などを例示した。計画期間は2030年までの5年間とする。

(2面・総合)

雪害拡大を懸念 万が一の相談役に(3面・NOSAI)【2025年1月4週号】

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 「就農して20年、これほど多く降った年はない。県内ではもっと積雪が多くなっている産地もあるようだ」と青森県つがる市のリンゴ農家・古坂朝和さん(49)。NOSAI青森(青森県農業共済組合)津軽支所管内の柏桑野木田地区で、約30戸を担当するNOSAI部長だ。近年にない大雪となり、雪の重みによる果樹の樹体や園芸施設の損壊に加え、雪の下で活動するネズミなど小動物による被害拡大も懸念されている。NOSAI青森では基礎組織と連携し、春に向けて被害状況の早期把握に努めている。つがる市内のNOSAI部長2人に現状を聞いた。

(3面・NOSAI)

〈写真上:ハウスに積もった雪をかき出す川﨑さん〉
〈写真下:積雪状況を説明する古坂さん。リンゴ園地には1メートルほど積もった〉

ナスの品種トレンド 単為結果性に注目(4面・流通)【2025年1月4週号】

 ナスは国が定める指定野菜14品目の一つ。色や長さ、形状はさまざまで、地域に伝わる在来品種も多い。本紙4週号営農技術・資材面で「注目の種苗」を執筆する株式会社ヒューマンコミュニケーションズ代表取締役の阿比留みど里さんに、安定多収で作りやすい単為結果性品種と、色と食感が特徴的な品種を紹介してもらう。

(4面・流通)

スマート技術幅広く 産学連携で実用化へ(7面・営農技術・資材)【2025年1月4週号】

 農林水産・食品産業技術振興協会は先ごろ、セミナーを開催。産学連携によるスマート農業技術の開発・実証事例が紹介された。主な技術の概要を紹介する。

(7面・営農技術・資材)

稲作+パン店/地元農地 米粉で守る【大阪府・1月4週号】

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 【大阪支局】高槻市の高谷直樹(たかやなおき)さん(49)は「高槻清水地域産ブランド米粉『清水っ粉』」で、後継者不足により減少しつつある生まれ育った地元の「美しい田園風景」を守り「美しい実り」が継続することを目標に奮闘している。水稲20アールを栽培し、自身が経営する「高谷ベーカリー」で米粉パン(米粉80%・小麦粉20%)や「清水っ粉」などを販売する。

〈写真:米粉で作った商品を紹介する高谷さん〉

マメコバチの安定確保へ/ヨシ巣の掃除器具を自作【山形県・1月4週号】

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 【山形支局】東根市関山でサクランボ30アールを栽培する大江松男さん(70)。大江さんは果樹園地に設置するヨシ巣の掃除器具を自作・活用して、マメコバチの安定確保に努めている。
 この器具はプラスチック製の持ち手に、先端にかき出し部分を取り付けた金属製の棒を取り付けたもの。金属部分をヨシに差し込み、先端で中をかき出すことで掃除する。先端部分は円型とT字型の2種類を制作した。円型は主に収穫したヨシを初めて設置する時に、T字型はその年に使用したヨシ巣の掃除用として使う。

〈写真:ヨシ掃除器具として円型(奥)とT字型を制作した〉

白ネギ産地 50年先もずっと【富山県・1月4週号】

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 【富山支局】「もう一度この砂丘を野菜産地として盛り上げたいです」と話すのは、氷見市の砂丘ファーム代表・川渕拓海さん(24)。白ネギ70アールと、その他野菜20アールの栽培に取り組む。管理する砂地の一帯は「氷見砂丘」とも呼ばれ、水はけが良く白ネギの産地として知られている。

〈写真:「手をかけた分だけおいしいものを作れることに楽しさを感じています」と川渕さん〉

防風林「大冷害からの再起に寄与した蓬莱米の存在【2025年1月4週号】」

 ▼今年は昭和100年に当たる。農業の話題がないかネット検索すると、沖縄県・石垣島に台湾の蓬莱米(ほうらいまい)が導入されて100年という琉球新報の記事配信があった。石垣出身の農業指導者が持ち帰って普及し、二期作が可能になって八重山地方の食糧事情改善に貢献したとある。
 ▼蓬莱米は、大正から昭和にかけ、台湾を統治した日本が普及した。在来のインディカ系品種と日本のジャポニカ系品種の交配など複数の品種があるよう。国内生産だけで不足する量を補うため、最盛期は年間75万トンの蓬莱米が台湾から日本に送られた。
 ▼石垣島といえば1993年の大冷害を思い出す。水稲の作況指数が全国で74、東北地方で56となり、種もみ確保が困難になった岩手県の依頼を受け、翌年の作付け用に種もみを増殖して届けた。その時の新品種の一つは「かけはし」と命名された。
 ▼出来秋を迎えても青く穂が見えない状態の稲作地帯を取材したので印象深い話題だった。蓬莱米には統治の思惑が絡むので肯定はできない。ただ、石垣島に稲作が根付いていなければ種もみ増殖は実現しなかったかも。"縁"の不思議さだ。

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