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今週のヘッドライン: 2024年11月 3週号

有機農業 産地振興へ担い手育成(1面)【2024年11月3週号】

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 茨城県石岡市のNPO法人アグリやさと(柴山進代表、72歳)は、有機農業を志す新規就農者の育成に力を注いでいる。家族を基本に毎年1組を受け入れ、有機JAS認証を取得した圃場で2年間の研修を実施。現在、7期生と8期生が学んでいる。栽培技術などは、JAやさと有機栽培部会のメンバーが指導役となってサポート。研修生は独立後も同部会の所属となるため、販売面の心配がないのも特徴だ。石岡市では、有機農業の産地づくりを進めており、人材育成を担うアグリやさとの活動に期待が集まっている。

(1面)

〈写真:カブの出荷調整をする越智さん(左)と作業を見守る柴山代表〉

水田活用交付金 飼料米の除外を提起(2面・総合)【2024年11月3週号】

 財務省は11日、財政制度等審議会財政制度分科会を開き、農林水産関係予算と施策の考え方を示した。特に土地利用型農業に対する財政負担を「多額」と指摘。政府が予定する2027年度からの水田政策の見直しでは「水田活用の直接支払交付金」の交付対象から飼料用米を除外するよう求めた。政府備蓄米の適正水準引き下げと緊急時のミニマムアクセス(MA)米の主食用利用の検討なども提起した。飼料用米の生産や備蓄米の安定確保も含め、国民への食料の安定供給の実現には、持続可能な水田営農の確立が不可欠だ。生産者が展望を持てる水田政策の確立と必要な予算の確保へ、政府の本気度が問われる。

(2面・総合)

ランピースキン病 福岡・熊本で感染牛確認(2面・総合)【2024年11月3週号】

 農林水産省は、全身の皮膚の結節や水腫が特徴的な牛の届出伝染病「ランピースキン病」が11日までに、福岡県の乳用2農場、乳用・肉用1農場、熊本県の乳用1農場で確認されたと発表した。飼養牛に疑わしい症状が見られた場合に、速やかな隔離と獣医師や家畜保健衛生所に連絡するよう通知を発出している。

(2面・総合)

園芸施設共済+収入保険 大雪の備え万全に(3面・農業保険)【2024年11月3週号】

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 気象庁によると、今冬は北・東・西日本の日本海側で、降雪量が平年並みか多い見通しだ。園芸施設共済と収入保険にセットで加入して万全に備えてほしい。岐阜県高山市では今年3月21日、12時間降雪量が同月の過去最多タイとなる22センチを記録。園芸施設に甚大な被害が発生した。高冷地の冷涼な気候条件を生かし、夏季にホウレンソウとトマトを栽培する2農家に、経営再建に向けた現況などを取材した。

(3面・農業保険)

〈写真上:施設復旧のためのパイプを前に塚本さん。農閑期に施設を建てて来年に備える〉
〈写真下:トマトの誘引をする小瀬さん〉

キノコ料理で秋を楽しむ"簡単レシピ"(5面・すまいる)【2024年11月3週号】

 秋に旬を迎えるキノコを使ったひと品で季節の味覚を楽しんではどうだろう。キノコ料理研究家の原真智子さんにキノコを使った簡単レシピを紹介してもらう。

(5面・すまいる)

"サツマイモ"期待の新品種 良食味の生産拡大に(7面・営農技術・資材)【2024年11月3週号】

 サツマイモは、焼き芋のブームに加え、輸出の急成長やスイーツ人気など、引き続き需要が拡大している。東日本向けを中心にサツマイモを育成する農研機構中日本農業研究センターは7日、普及が期待される新品種について記者向けに紹介した。販売期間の前倒しや栽培地の北上などに対応し、高い糖度や外観品質、病害虫抵抗性を備える。

(7面・営農技術・資材)

ソバ品種「NARO―FE―1」でブランド化/商標登録目指す【栃木県・11月3週号】

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 【栃木支局】日光市岩崎地区でソバを生産する「岩崎そば生産組合」は、農研機構が開発したソバ品種「NARO―FE―1」によるブランド化を目指す。2026年には種子を一般に販売できる見込みだ。ソバ殻の再生可能エネルギー化にも取り組む考え。先進地への視察なども行い、ソバを通じて地域を盛り上げる。

〈写真:耕作放棄地を率先して開墾し、ソバを作付けする岩崎そば生産組合組合員の半田耕一(はんだ・こういち)さん(66)〉

今年4月、就農 高品質、収益性を【山形県・11月3週号】

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 【山形支局】鶴岡市東岩本の岡村絵美さん(47)は、今年4月に就農し、柿24アールとワラビ40アールを栽培する。「少子高齢化が進む中で、収入面ややりがいなど農業の魅力を上げていきたい。教員経験など自分の強みを生かして農業界に貢献できたら」と話す。

〈写真:「経験を積んで成長していきたい」と岡村さん〉

若手育成、スマート農業導入/持続可能な経営へ【山口県・11月3週号】

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 【山口支局】山口市嘉川地区の農事組合法人川西は、水稲や麦、大豆、タマネギなどの高需要作物を中心に108.6ヘクタールの農地を管理する。若手人材の雇用と育成のほか、小型無人機(ドローン)やロボット農機を活用し、持続可能な農業法人経営に取り組んでいる。

〈写真:近隣の地域交流センターで開催された農林水産大臣賞受賞祝賀会で、川西の職員たち〉

新商品「茶そば」販売/太田そばの魅力伝える【福井県・11月3週号】

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 【福井支局】「太田のそばは風味豊かで、喉越しが最高」と話すのは、美浜町太田の「太田enjoy農楽舎」代表・山路俊彦さん(62)。後継者不足などで増え始めた耕作放棄地を活用し、秋ソバ620アールを栽培するほか、今年3月から新商品「茶そば」を販売している。

〈写真:太田そばと茶そばを手に山路さん。商品は道の駅「若狭美浜はまびより」で販売している〉

防風林「漬物が身近にあるありがたさ【2024年11月3週号】」

 ▼自宅最寄り駅のスーパーで「いぶりがっこチーズ」が売られていて、ちょくちょく購入する。自分はおつまみ用のつもりだが、家族はおやつにしている。クリームチーズと刻んだいぶりがっこ、だしの味がよく絡んでおいしく、すぐになくなってしまう。
 ▼漬物製造業が改正食品衛生法で営業許可業種となり、今年6月から衛生基準を満たす施設整備が必須となった。個人で漬物製造を続けるには数十万円を超える設備投資が必要で、農家が営業をあきらめ、加工品の品ぞろえが寂しくなった直売所もあると聞く。
 ▼秋田の伝統的な漬物いぶりがっこも一時は"消滅危機"と心配された。しかし、生産者組織の結束や行政の支援などもあって生産維持が図られたと報じられている。そうした産地の努力に感謝して味わいたい。
 ▼ただ、漬物を製造する農家の多くは高齢で、後継者確保というハードルが次に控えている。ほぼ年中漬物がある食卓で育ったのに、母に何も漬け方を習わなかったことを悔やむ。

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