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今週のヘッドライン: 2024年09月 3週号

畜産政策再構築を 酪肉近見直しへ本格議論開始(1面)【2024年9月3週号】

 農林水産省は10日、食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、中長期的な酪農・肉用牛生産の振興方針となる「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」(酪肉近)の見直しを諮問した。畜産は、農業産出額の約4割を占めるが、新型コロナの流行などに伴う畜産物消費の減退や、飼料価格高騰など生産コスト上昇が農家経営を直撃。担い手や労働力の確保に加え、環境負荷低減の対応など課題も多い。改正食料・農業・農村基本法で掲げた食料安全保障の確保に向け、持続可能な営農の確立へ畜産振興策の構築が急務となっている。酪農・肉用牛生産を取り巻く情勢や課題などを整理した。

(1面)

輸入米が全量落札 国産価格急騰で引き合い(2面・総合)【2024年9月3週号】

 農林水産省は6日、ミニマムアクセス(最低輸入機会、MA)米の2024年度第1回売買同時入札(SBS)の結果を公表。契約予定数量2万5千トンが全量落札された。申し込み数量は7万トンを超え、国産米の品薄感や価格急騰を受け、外食などを中心に輸入米への引き合いが強まっているとみられる。

(2面・総合)

病害虫防除を支援 各地で損害防止事業(3面・農業保険)【2024年9月3週号】

 温暖化や農業の大規模化、人手不足などを背景に、病害虫の多発や発生地域の拡大などリスクの増加が指摘されている。全国のNOSAIでは、農業共済や収入保険の加入者を対象に、薬剤の共同散布や防除費用の助成、発生予察情報の提供など損害防止事業を展開している。NOSAIによる病害虫防除支援などの取り組みについて、稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・農業保険)

青ネギの魅力伝えて交流(5面・すまいる)【2024年9月3週号】

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 徳島県吉野川市鴨島町で青ネギを専門に栽培する株式会社ねっこ農園の金子美佳さん(41)は、産直EC(電子商取引)の購入者へ青ネギを使用したレシピなど自作の便りを商品に同梱(どうこん)する。青ネギの消費拡大を後押しようと始めた。便りを通じた購入者との交流が生まれ、「消費者を近くに感じられるツールになっていますね」と喜んでいる。

(5面・すまいる)

〈写真:「みやび姫」の生育を確認する金子美佳さん(右)と克浩さん〉

荒廃農地を再生 雑木除去し飼料・景観畑に(9面・営農技術・資材)【2024年9月3週号】

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 荒廃農地を飼料生産圃場や景観畑に再生する事業が、島根県奥出雲町で進んでいる。新型のフレールモアーで雑木やとげのある植物も粉砕。刈払機やチェンソーなど手作業では再生困難な場所を農地としてよみがえらせる。同町はヒエなど粗飼料を増産し、農地活用と畜産振興につなげる方針だ。

(9面・営農技術・資材)

〈写真:バックしながらフレールモアを木に押しつけて粉砕していく〉

経営の安定へ 水稲にブドウ栽培をプラス【福島県・9月3週号】

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 【福島支局】水稲栽培中心だった古殿町の「おざわふぁーむ株式会社」の代表取締役・小澤嘉則さん(41)は、経営安定のためブドウのハウス栽培を取り入れた。殺虫剤などを使わずに6アールを栽培。自身のブドウの価値を理解してくれる消費者が増え、手応えを感じている。

〈写真:ブドウの生育を確認する小澤さん〉

第三者継承でナシ栽培【山形県・9月3週号】

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 【山形支局】庄内町狩川の志田久美子さん(48)は、酒田市刈屋の伊藤眞知夫さん(89)、ゆり子さん(88)夫妻と共にナシ50アールを管理するほか、伊藤さん方から25アールを借り、個人でもナシを栽培している。志田さんは新規就農支援制度を活用して伊藤さん夫妻の下で栽培技術を学び、今年、第三者継承した。

〈写真:「農業は大変だが、やりがいがある」と志田さん〉

冬場の収入確保にポップコーン用トウモロコシ【新潟県・9月3週号】

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 【新潟支局】「初めは『なぜ佐渡でポップコーンを作るの?』と言われましたが、最初はどんなものでもゼロからのスタートです」と振り返る「佐渡アグリカルチャーシップ有限会社(代表取締役・本間琢巳さん=55歳)」の従業員・本田交美さん(51)。国産では珍しいポップコーン用のトウモロコシ(爆裂種)を94アール生産している。

〈写真:「今年は粒も大きく、良い出来ですよ」とPRする社員たち(右から2人目が本田さん)〉

高評価のブランドピオーネ/新規就農者獲得へ団結【岡山県・9月3週号】

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 【岡山支局】新見市は岡山県内有数のブドウ産地で、市内の農家で構成する「JA晴れの国岡山 阿新ぶどう部会(部会長=中山正己さん・63歳)」では、産地を維持しようと、市と、中山さんをはじめとする市内の農家、JAなどが協力して「新見ぶどう産地の将来を考える会」が開かれている。

〈写真:「市場から出荷時期の問い合わせがくることもある。新見のブドウに対する期待値の高さを感じている」と中山さん〉

ドラゴンフルーツ/ノウハウは独学で習得【群馬県・9月3週号】

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 【群馬支局】富岡市の「富岡マルイ農園」では、群馬県内で唯一、ドラゴンフルーツをビニールハウス35アールで栽培している。園主の伊早坂進さん(76)は「程よい甘さとほのかな酸味が合わさり、爽やかな味わいが魅力」と話す。

〈写真:開花後の花を摘む進さん〉

防風林「「やわやわと」進められる能登・白米4枚田の復旧・復興【2024年9月3週号】」

 ▼石川県輪島市の棚田「白米千枚田」で稲刈りが行われた。能登半島地震で約千枚ある田んぼのほとんどに亀裂や崩れ、田面がぼこぼこになるなど被害を受けた。被災後、管理する白米千枚田愛耕会や棚田オーナー、ボランティアなどが協力して棚田の修復に努め、田植えができたのは120枚ほど。それでも無事に出来秋を迎えられたことは喜ばしい。
 ▼棚田修復と営農再開を目指し、愛耕会はインターネットを介して資金を集めるクラウドファンディングを実施。千人を超える人が参加し、活動を支援した。少額の寄付にも丁寧なメールで定期的に活動報告があり、伴走するような気持ちで応援してきた。
 ▼来年の作付けに期待したいが、簡単ではなさそうだ。直近のメールで「『見えない被害』と向き合う日々」との報告があった。今年の作付けで田んぼの不均平や細かい亀裂からの水漏れが目立ち、作付けしない100枚ほどの田んぼに水を張って確認した。すると修復したはずの田んぼから水が漏れ、高低差で水が行き渡らないところも。
 ▼水を張って初めて分かる「見えない被害」の修復は、荒起こし後に水を入れ、荒くり(土と水をかきまぜ)、あぜ塗りし、泥で亀裂を埋める作業を繰り返すほかなく、相当な手間と時間がかかる。以前の報告で、「やわやわと」と能登の方言があり、「ゆっくり無理せず」の意味という。復興は、前のめりに急ぐと息切れして続かないから、慌てず騒がず丁寧に〝やわやわと〟やり続けるとあった。千枚田を造り、長く維持してきた地域の自信と誇りが感じられる。

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