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今週のヘッドライン: 2024年07月 4週号

イネカメムシに要警戒 斑点米カメムシ類16県で注意報(1面)【2024年7月4週号】

 水稲の穂を加害する斑点米カメムシ類の発生が全国的に多い傾向にあり、注意が必要だ。向こう1カ月もカメムシ類の生育に適した高温が見込まれ、都道府県が発表する発生予察情報などを参考に水田を観察し、米の品質低下防止へ適期防除が欠かせない。中でも警戒したいのは、温暖化などで発生の増加が指摘されているイネカメムシだ。斑点米に加え、出穂直後のもみを加害して不稔被害を引き起こし、大幅な減収となる恐れがある。発生量が多い地域では、斑点米対策の穂ぞろい期以降の防除に加え、不稔対策で出穂期の防除も検討してほしい。

(1面)

道の駅を地方創生・観光の要に 国交省有識者委員会が方向示す(2面・総合)【2024年7月4週号】

 国土交通省は11日、2025年までを期間とする「道の駅」第3ステージについて「中間レビューと今後の方向性」を公表した。新たに「道の駅単体からまちぐるみの戦略的な取り組み」を掲げ、まちと道の駅を横断的に支援する新たな枠組み創設を明記。目標とする「地方創生・観光を加速する拠点」の実現へ柔軟な活用を可能にする施設整備や、今年1月の能登半島地震を踏まえた「防災」拠点としての機能強化を提起した。過疎化・高齢化が進む地方で道の駅が果たす機能・役割は大きい。地域住民や団体、企業など多様な主体の参画・連携を促し、地域の課題解決や地元農産物の販売促進など道の駅を拠点に地域全体の活性化に波及させていくことが重要だ。

(2面・総合)

4カ月連続上昇 6月の米相対・平均1万5865円(2面・総合)【2024年7月4週号】

 農林水産省は16日、2023年産主食用米の24年6月の相対取引価格(全銘柄平均、速報)は前月比268円(2%)高の60キロ当たり1万5865円だったと発表した。民間在庫量の減少など需給引き締まりを受けて4カ月連続で上昇し、13年以降で最高値を更新した。前年同月比では2千円(14%)高く、出回りからの年産平均価格は前年産比1463円(11%)高の1万5307円となった。

(2面・総合)

畜産業の発展に貢献 NOSAI千葉北部家畜診療所田中秀和所長(3面・NOSAI)【2024年7月4週号】

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 NOSAI千葉(千葉県農業共済組合)北部家畜診療所の田中秀和所長は、臨床獣医師として農家への往診や後輩獣医師への指導などに従事するとともに、農家を悩ませる病気の新たな治療法の研究などに取り組んできた。今年2月に開かれた第50回記念の「令和5年度家畜診療等技術全国研究集会」では、獣医療の発展と畜産業の振興への貢献が評価され、内閣総理大臣表彰を受賞した。田中所長の仕事に密着した。

(3面・NOSAI)

〈写真:エコーを用いて妊娠鑑定する藤本獣医師(中央)を指導する田中所長(右)。見守る鈴木さん〉

実家の空き家化防止へ 親子で事前に話し合いを(5面・すまいる)【2024年7月4週号】

 全国各地で放置された空き家が増加し問題となっている。総務省の住宅・土地統計調査によると2023年10月1日現在で「賃貸・売却用や別荘などを除く使用目的のない空き家」(以下、放置空き家)は385万戸と、前回調査(18年)に比べ37万戸増え、03年からの20年で約1.8倍となった。発生原因の半数以上は相続によるもので、政府は「親などが元気なうちに話し合って方針を決めておくことが重要」と強調する。放置空き家の現状を整理するとともに、NPO法人空家・空地管理センターの伊藤雅一副代表理事に実家の空き家化を防ぐ「親子会議」を開く際のポイントなどを聞いた。

(5面・すまいる)

環境負荷の低減へ 「みどり」技術カタログから紹介(7面・営農技術・資材)【2024年7月4週号】

 農林水産省はこのほど、減農薬・減化学肥料栽培や有機栽培の実現に貢献する技術カタログに、新たに48件の「現在普及可能な技術」を追加し、同省のホームページで公開した。技術の概要や導入による環境負荷低減の効果、留意点、問い合わせ先などをまとめたもの。同省が策定した「みどりの食料システム戦略」に基づき、農業生産からの環境負荷低減を促している。新たに収録された技術の中から大豆に導入可能な二つの技術を紹介する。

(7面・営農技術・資材)

歴史ある特産イチジクを守り続ける【広島県・7月4週号】

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 【広島支局】広島市西区の古江、高須、田方の3地区で古くから栽培される「古江いちじく」は近年、農地の減少などで存続が危ぶまれている。高須地区の大下裕史さん(54)は、祖父母の代から続くイチジク農家を受け継ぎ、地区の歴史ある特産品を守る。
 古江いちじくは「蓬莱柿〈ほうらいし〉」という品種で、古江地区では江戸時代末期から栽培されている。しかし宅地化が進み農地が減少。40年前は3地区で80戸ほどあった生産農家は、現在は23戸になった。大下さんは40代で早期退職し、2013年に就農。現在は7.9アールでイチジクを育てる。
 完熟させて収穫するため日持ちしない。大下さんは「その日収穫した新鮮なものを、地域の人に味わってほしい」と、地元のスーパーや直売所に全量出荷する。
 地元小学校の総合学習で、古江いちじくの歴史や栽培方法について説明するなど、次世代への継承にも努める。「話を聞きに来た児童から古江いちじくのことをもっと知りたいと感想をもらい、励みになる。昔から親しまれてきたブランドを守っていきたい」と意欲を見せる。

〈写真:「地域の人と協力しながら、栽培と継承活動を続けていきたい」と大下さん〉

山梨県が「ブドウ摘粒体験授業」実施【山梨県・7月4週号】

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 【山梨支局】山梨県は眼鏡型端末「スマートグラス」を利用したブドウの摘粒体験授業を農業系学科のある高校3校で実施した。
 7月2日に北杜高校で行われた体験授業では、総合学科の3年生10人と、農林大学校養成科果樹学科の2年生16人が参加。技術開発に携わった山梨大学の茅暁陽〈マオシャオヤン〉理事率いる研究チームを講師に、シャインマスカットの摘粒を体験した。
 スマートグラスを装着してブドウの軸を持つと、房を認識し自動で撮影が始まる。画面には粒数が表示され、青丸で囲まれた粒を摘粒する。
 北杜高校の日景〈ひかげ〉柊〈しゅう〉さん(17)は「普通の眼鏡をかけている感じ。どの粒を切るかも分かりやすい」と話す。県農業技術課の髙橋一春技術指導監は「若い人が体験してより良いものにし、人工知能(AI)を駆使して省力化できれば」と期待を寄せている。

〈写真:スマートグラスを体験する北杜高校の生徒〉

リンゴ/ネットかぶせて食害を1割以下に抑制【秋田県・7月4週号】

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 【秋田支局】湯沢市岩崎でリンゴ11アールを栽培する藤田浩之さん(52)は、早生種の「つがる」に赤みが付き始める8月上旬に、木を丸ごとネットで覆いムクドリの食害を防いでいる。
 1本の木に対し約3.6×9メートルのネットを2枚、隙間を作らないようにかけるのがコツだという。ホームセンターで、1枚400~500円で購入し、2年ほど使用。防風の役割も果たし、強風で木が揺さぶられず落果を低減できるメリットもある。
 藤田さんは「地区のリンゴ園地が少ないためか、鳥が自分の園地に毎年集中する。色が着き始めたらすぐに覆うことが大切。何も対策しなければ、7割は食べられてしまうだろう」と話す。
 取り組み始めたのは2018年で、一つの園地で30~40羽のムクドリがネットにかかっていた。対策を続けた結果、昨年は10羽ほどがネットにかかり、リンゴの鳥害は1割以下に抑制。ネットにかかるムクドリ自体が減ったことについて「賢い生き物なのであの園地に近づいてはいけないと学習するのだろう」と分析する。
 ムクドリは2時間でリンゴの木1本分の果実を食べ尽くすことがあり、適切な時期にネットをかけることでこの園地は他と違うと警戒するという。「労力はかかるが、安いコストでその分、リンゴの出荷を守れる」と話す。

〈写真:ネットにかかるムクドリ(昨年9月撮影)〉

染料植物「紫草」/土作りが鍵【大分県・7月4週号】

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 【大分支局】豊後大野市千歳町の十時成也〈ととき なりや〉さん(77)は、日本古来の染料植物「紫草(ムラサキ)」の栽培に20年以上前から取り組んでいる。
 紫草は環境省の絶滅危惧ⅠB類(環境省のレッドリスト)に指定されているムラサキ科の多年草。十時さんは親交のあった日本料理研究家から種を譲り受け、栽培を開始。発芽率が低い上に病気に弱いが、かねてからの土作りが生かされたという。
 十時さんはハウス6棟(約12.5アール)で多品種の野菜や花きを栽培し、土作りに力を入れている。化学肥料や堆肥を使わず、自作の腐葉土と黒土などをブレンドしている。腐葉土は大木や竹、枝や落ち葉を積み上げ、5年間寝かせて完熟させる。「時間を経ることで良い土になる」と十時さん。「自然本来の土にこだわっていたので、紫草栽培と相性が良かった。根がしっかりと育ち、病気も出にくいです」話す。

〈写真:紫草の歴史を話す十時さん〉

キジ肉/地元農家とブランド化【高知県・7月4週号】

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 【高知支局】いの町本川地区の「本川手箱きじ生産企業組合」ではキジ約4500羽を飼育し、肉の生産から加工販売まで一括して行う。山本周児組合理事長(65)が地元生産者と協力してブランド化した「手箱きじ」を県内外の飲食店に商品として出荷するほか、公式サイトでも販売する。
 飼育ではストレスを与えないよう、けんかでけがをしたキジを隔離したり、止まり木を設置して逃げ場所を確保したりするなどの環境をつくり上げる。
 飼養管理では飼料に重点を置く。配合飼料に加え、農薬の不使用や抑制で栽培した地場産のキュウリやブドウなど野菜と果物を給与。消費者から「臭みがなく、食べやすい」と評価が高い。
 「キジ肉は単価が高く、冬の鍋物の印象が強いため、夏の売れ行きが低下する点が課題」と飼育を担当する川村英一さん(52)。「夏向けの新商品も開発して、キジ肉を味わってほしい」と話す。

〈写真:「広いキジ舎に放し飼いで伸び伸びと育っている」とひなを抱く川村さん〉

防風林「コスト負担を価格転嫁できる仕組みづくりを【2024年7月4週号】」

 ▼「コメ卸売価格 11年ぶり高値」などの見出しが全国紙や地方紙に並んだ。農林水産省が毎月公表する2023年産主食用米の相対取引価格が24年6月は60キロ当たり1万5865円(全銘柄平均)となり、13年8月(1万6127円)以来の高水準と報じられた。
 ▼相対取引価格は、JA全農など出荷団体と卸や小売りとの契約価格で、市場流通する米価格の指標とされる。ただ、23年産の平均価格は1万5307円で、1万5716円だった19年産に届いていない。
 ▼また、農林水産省が公表する24年5月の農業生産資材(総合)指数(20年=100)が120となったのに対し、農業物価指数は115.1で、特に米は94.2と低い。肥料など資材費の負担は重く、米農家の経営は依然として厳しい状況だ。
 ▼改正食料・農業・農村基本法は、新たに農産物などの「合理的な価格形成」を掲げた。25年中の法案提出を視野にコスト指標づくりなどを検討する。価格の上げ下げではなく、持続的に営農できる水準について、国民的な理解を深める仕組みづくりを求めたい。

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