ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2024年07月 3週号

耕作放棄地でオリーブ 地域潤う仕組みに(1面)【2024年7月3週号】

240703_1.jpg

 群馬県館林市の農業ベンチャー、株式会社ジャングルデリバリー(三田英彦代表、60歳)は、耕作放棄地を活用したオリーブの生産と加工・販売に取り組む。産地化を見据えて協力農家などを募って苗木を販売。栽培のノウハウを提供するほか、収穫した実や葉を買い取り生産をサポートする。「葉、枝、実すべて利用でき、捨てるところがない」と三田代表。茶やオイルなどに加工して直売所やEC(電子商取引)サイトなどで販売し、稼げる農業のビジネスモデルを目指す。

(1面)

〈写真:成り始めたオリーブの実を確認する三田代表〉

酪農・肉用牛農家の減少が加速 2024年畜産統計(2月1日現在) (2面・総合)【2024年7月3週号】

 農林水産省は9日、畜産統計(2024年2月1日現在)を公表した。乳・肉用牛ともに飼養戸数の減少率が上昇。特に乳用牛の飼養戸数は2年連続で5%超の減となり、1万1900戸と統計開始以来最少を更新した。高齢化や後継者不足に加え、昨今の生産資材価格の高騰・高止まりなどが大きな要因となっている。政府は中期的な酪農・肉用牛生産の振興方針を定める新たな酪農・肉用牛生産の近代化基本方針の年度内策定へ検討を加速する方針だ。畜産・酪農の危機的現状や振興を図る重要性などについて国民理解を醸成し、次世代が育つ施策の具体化・実行につなげる必要がある。

(2面・総合)

改正基本法と関連3法の説明会(2面・総合)【2024年7月3週号】

 農林水産省は10日、省内で改正食料・農業・農村基本法と関連3法に関する説明会を開いた。今後、全国11カ所で地方説明会を開き、改正の要点を伝え、意見交換する。
 同日の説明会では、参加者から食料と農業の厳しい現状に対する国民理解の醸成を求める意見や農林水産関係予算の大幅な増額、有機農業など環境負荷低減の取り組みへの支援充実などを訴える発言が挙がった。生産コストを反映した合理的な価格形成の仕組み作りに期待する声も出た。

(2面・総合)

備えは建物総合共済で 大雨災害が集中化・激甚化(3面・農業保険)【2024年7月3週号】

 近年は、豪雨や台風などの自然災害が頻発し、特に7、8月は線状降水帯の発生による大雨の被害が続いている。農作物や農地のほか、住宅や倉庫などが被災すると生活への影響も甚大だ。NOSAIでは農作物、家畜、果樹、畑作物、園芸施設などを対象に災害による損失を補填<ほてん>する農業共済や全ての農作物を対象に収入減少を補填する収入保険のほか、農家の資産を守る建物共済を実施している。近年の大雨災害の状況と建物共済について、稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・農業保険)

独特の香りと味わい 十割そばを楽しもう(5面・すまいる)【2024年7月3週号】

 夏休みに家族が集まる際に自らそばを打ち、おいしいそばを振る舞ってみよう。日本蕎麦<そば>保存会会長でそば研究家の片山虎之介さんに、おいしい十割そばの打ち方を教えてもらう。

(5面・すまいる)

路地野菜にオオムギ間作 土着天敵のすみかに(7面・営農技術・資材)【2024年7月3週号】

 宮城県などの研究チームは、キャベツやタマネギなど露地野菜栽培で、土着天敵のすみかとなるオオムギを間作することで、害虫の発生を抑える技術を開発した。さらに、圃場の株間や周辺にソバなどの開花植物を育てると、周囲から天敵を誘引して防除効果が高まる。特にモンシロチョウやアブラムシ類、ネギアザミウマに対しては、6~8割の密度低減効果を確認した。県内の作型に合わせたマニュアルも作成し、薬剤抵抗性の対策や環境保全型農業での活用を図る。

(7面・営農技術・資材)

能登半島地震から半年/復興へ一歩ずつ【石川県・7月3週号】

240703_7.jpg

 【石川支局】珠洲市唐笠町で牧場を営む松田徹郎さん(35)は能登半島地震で甚大な被害を受けたが、「被災者や子供たちの心を、能登ののどかな風景と動物たちが癒やしてくれるはず。誰もが気軽に立ち寄れる牧場にしたい」と再起を目指す。
 能登半島の先端にある同牧場は、震源地からわずか数キロの位置にある。4棟ある牛舎のうち2棟、堆肥舎、農機具格納庫、敷地内の自宅が全壊した。発災直後は松田さんと従業員がコンテナや車に寝泊まりし、手作業で搾乳や給餌・給水を続け、牛の命を守った。
 搾乳量は昨年の3割以下まで下がった。現在は7割程度に回復したが、この影響は来年末まで続くとみている。
 5人いた従業員は、遠方へ2次避難した3人がやむなく退職した。避難生活が続く奥能登地域での人材の確保は極めて難しい。地区に残った従業員2人と共に、事業の維持に懸命に取り組んでいる。
 現在は乳牛と黒毛和牛合わせて約130頭を飼育。牛舎と付帯設備の再建に、国や県からの復興支援を受けても、自己負担は6000万円を超えると試算が出た。費用の一部はクラウドファンディングでの調達を計画している。「未来につながる酪農業を目指したい」と松田さんは話す。

〈写真:「広大な牧場の牧歌的な景色が人を癒やしてくれる」と話す松田さん〉

水田転作にブロッコリー/緑肥で排水性改善【岩手県・7月3週号】

240703_8.jpg

 【岩手支局】今年からブロッコリー栽培を始めた大槌町小鎚の小鎚地区営農組合(藤原市之助組合長=77歳)では、緑肥「ヘアリーベッチ」を栽培してブロッコリーの定植前にすき込む実証実験を行っている。転作圃場の排水対策や、雑草対策、地力向上が期待される。
 水稲の転作として、ワラビやフキなどを栽培している同組合。近年需要が高まっているブロッコリーを昨年まで水稲を栽培していた圃場8アールで栽培する。釜石・大槌地域農業振興協議会の協力のもと、ヘアリーベッチを緑肥とする栽培実証も始めた。
 ヘアリーベッチは、根が最長で地下50センチほど伸びる。土壌に亀裂を作るため、排水性の改善ができるという。藤原組合長は「この地域の圃場は石が多い。農業機械で暗渠〈あんきょ〉施工ができない圃場でも排水効果が期待できる」と話す。
 被覆力が強いヘアリーベッチは、他の雑草の生長を抑制。また、根に根粒を形成してチッ素を固定する性質がある。そのため、圃場にすき込むことで土壌中のチッ素量が増加して地力の向上も期待できるという。大船渡農業改良普及センターの細越翔太農業普及員は「野菜の前作として栽培することで、土作りの効果がある」と説明する。
 実証圃場では、ヘアリーベッチが圃場全体で均一に生育するように、今年4月に手作業で播種後、トラクターで浅く耕起した。今回は基肥・追肥をせずに栽培。7月上旬にすき込み作業をする予定だ。

〈写真:実証圃場で、普及センターの説明を聞く小鎚地区営農組合の組合員〉

廃校活用してキノコ生産/雇用創出の拠点に【青森県・7月3週号】

240703_9.jpg

 【青森支局】「自分が卒業した小学校の校舎を活用して、地元で若者の雇用を増やしたい」と話すのは、五所川原市「企業組合ひらかわファーム」理事長を務める桑田昭彦さん(61)。廃校となった校舎の教室内にビニールを張り、キノコを育てている。
 知人から「廃校を活用して何か事業を行わないか」と相談されたことがきっかけ。年間でキクラゲを菌床約1万床(うち「青森きくらげ」約800床)、シイタケ約1万80床、ナメコ約8千床を栽培
 教室内での栽培は、雨風などの天気の影響を受けにくい。冬場は気温が下がるため地熱ボイラーを利用して温度管理を徹底。桑田さんは「気温を常時24~27度、湿度を90%に維持することが難しい」と話す。

〈写真:生キクラゲを手に桑田さん〉

自家産作物使って/手間惜しまずジャム作り【北海道・7月3週号】

240703_10.jpg

 【北海道支局】美瑛町の女性農家グループ「Hana la mom(ハナラーマム)」は、自分たちの畑で取れた野菜や果実を使った手作りジャム「魔女の果実ジャム」を販売している。
 代表を務める鹿島春美さん(58)は「規格外の野菜を見てもったいないと思い、ジャムに生まれ変わらせようと考えたことが始まりでした。最初は1人で活動していましたが、趣味のフラダンスを通じて、現在のメンバーがそろいました」と振り返る。
 ジャム作りは農作業の合間に行っていて、鹿島さんは「活動がずっと続けられているのは、楽しいからというのはもちろんのこと、何より家族の理解があるおかげですね」と話す。
 交流サイト(SNS)を活用した情報発信も積極的に行っていて、広報を担当する喜多昌代さん(60)は「ジャムを買ってくれた人から『おいしかった』とメッセージをもらえたときは、とてもうれしかったです」と話す。

〈写真:「たくさんの人に助けられながら、楽しく活動しています」と話す鹿島さん(右)と喜多さん〉

防風林「自治体の防災・危機管理部局に女性の登用を【2024年7月3週号】」

 ▼自然災害の頻発化・激甚化が指摘される中、政令市を含む全国1738市区町村のうち約6割(996)の防災・危機管理部局に女性職員がいないことが内閣府の調査で明らかになった。平均でも女性職員の割合は11.5%と低く、被災時の対応が後手に回る懸念がある。
 ▼東日本大震災の際、避難所の運営で、女性のプライバシー確保や生理用品不足などが問題となった。従来の男性主体による避難所運営では、女性やこども、高齢者への配慮が十分に行き届かないとも指摘された。
 ▼そこで政府は、女性の視点を生かすためのガイドラインを策定するなど、自治体に防災業務への女性参画を促してきた。ただ、その後も地震や大雨など被災時の避難所運営で同様の指摘が繰り返されてきた。
 ▼今回は昨年末時点の調査だが、被災者の不安や悩みに応えるには女性参画ゼロでは不十分だ。被災時に100%の対応が困難な事情がある人もいるだろうが、関わり方を工夫すれば動かせることはあるはずだ。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る