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今週のヘッドライン: 2024年05月 1週号

獣医師がコンサル 収益アップに成果(1面)【2024年5月1週号】

 NOSAI宮崎(宮崎県農業共済組合)は、畜産農家の経営改善を獣医師がサポートする生産獣医療に力を注いでいる。契約する農場を定期的に訪問し、飼養環境のチェックや繁殖検診、疾病モニタリングなどを実施。農場の状況や課題なども入念に聞き取った上で、個々に合わせた改善策を提案する。繁殖成績の向上や事故率低減など生産性を高め、収益アップに成果を上げている。

(1面)

人口戦略会議が報告 744自治体に消滅可能性(2面・総合)【2024年5月1週号】

 民間有識者らで作る「人口戦略会議」は4月24日、人口減少の加速化に伴い全国744自治体が2050年までに消滅する可能性があるとの報告書を発表した。50年までの30年間で、20~39歳の若年女性人口の減少率が50%以上になるとの地域別の推計から分析した。14年(10年前)の報告からは若干改善が見られるものの「少子化基調は全く変わっていない」と指摘。各自治体に対し、地域の実情と課題に応じた人口の自然減対策と社会減対策を組み合わせた適切な対応を提起した。地域存続への危機感を共有し、官民挙げた取り組みの強化・加速化は待ったなしだ。

(2面・総合)

規模拡大時も安定 収入保険を花き経営の支えに(3面・収入保険)【2024年5月1週号】

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 「経営が大きくなればリスクも増す。万一の時に従業員や家族に迷惑をかけないために収入保険が必要」と、岐阜県輪之内町でバラの生産と育種を手がける有限会社ローズなかしまの中島清仁代表(40)。オリジナル品種のブランド化で販売単価を高め、出荷時期の調整によるコスト削減など経営安定に努める。収入保険は2023年に加入した。花き経営へのセーフティーネットとしても機能している。

(3面・収入保険)

〈写真:開花前のエターナルを手に中島代表。高級感ある房咲きの花姿に育てる〉

暑い夏を乗り切る 要所に緑のカーテンを(5面・すまいる)【2024年5月1週号】

 気象庁によると、今年の夏も暑くなる見通しだ。ゴーヤーやアサガオなどのつる性植物をネットなどに茂らせて日差しを遮る「緑のカーテン」を作り、夏を快適に過ごそう。作曲家でNPO法人緑のカーテン応援団理事の石川るり子さんに、その効果や作り方のポイントを教えてもらう。

(5面・すまいる)

牛の"サイン"見逃さず 繁殖成績を向上(9面・営農技術・資材)【2024年5月1週号】

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 経産牛40頭を飼養する熊本県菊陽町原水の風間健太さん(42)は、繁殖成績に重きを置いた管理で分娩(ぶんべん)間隔は383日を実現。日常作業の中で牛を注意深く観察し、朝の見回りや、搾乳時のパーラーに入る順番など普段と異なる"サイン"から疾病や発情を発見する。牛体へのシャワーや換気扇の増設など暑熱対策にも力を入れ、昨年夏の記録的な猛暑でも、搾乳牛1頭当たりの検定日乳量は最少の8月でも33.2キロを確保した。

(9面・営農技術・資材)

〈写真:餌寄せをする風間さん〉

甘いトマトに愛情込めて【福島県・5月1週号】

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 【福島支局】会津美里町でミニトマトを栽培する「Misato Farm合同会社」代表の佐藤瞳さん(41)は、養液栽培「ANS独立ポット栽培システム」を取り入れ、農業と子育てを両立。徹底した栽培管理で高品質のミニトマトを生産している。
 東京で専業主婦をしていた佐藤さんは、父親の農業引退を機に「農地を守りたい」という思いを持ったことや「時間の融通が利き子育てしながら作業できるのでは」と考え、2022年に就農した。

〈写真:「東京から農業移住したトマト農家の挑戦」と佐藤さん(写真提供=佐藤さん)〉

収入保険・私の選択 ブドウ安定生産目指す【岡山県・5月1週号】

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 【岡山支局】真庭市中原で水稲58アール、ブドウ「ピオーネ」「シャインマスカット」を23アール栽培する池町浩美さん(64)。JA晴れの国岡山農業協同組合真庭支部ぶどう部会の部会長を務め、日頃から部会員の園地を巡回し、営農指導に取り組んでいる。
 より安定した経営のために、2019年からは収入保険と園芸施設共済にセット加入。自身が感じたメリットを伝え、部会員や近隣農家に加入を勧めるなど、地域全体のリスク対策強化に努めている。

〈写真:「地元の方においしいブドウを提供したい」と池町さん〉

笑顔と元気の源 ウドを新たな特産へ【福井県・5月1週号】

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 【福井支局】勝山市荒土町の地元住民団体「荒土町ふるさとづくり推進協議会」では、2008年からウドの生産に取り組んでいる。メンバーの皿澤吉朗さん(76)が生産の指揮を取り、今年も収穫に向けて、メンバー全員で協力しながら春作業に励んでいる。
 同団体は元々地元の炭焼き文化を守るために集まっていたが「新しい特産物をつくり地域を盛り上げていこう」と、炭焼き小屋の近くにあった約4アールの休耕田を借り受け、ウド200本を移植。毎年1000~1500本ほど出荷している。

〈写真:今年の春作業をしたメンバー〉

複数の農機具導入し/ナシ栽培効率化【埼玉県・5月1週号】

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 【埼玉支局】神川町の石原拓哉さん(33)は、60アールでナシ「幸水」「豊水」「彩玉」など11品種を栽培する。自家販売を中心に、JA埼玉ひびきのに出荷する。
 製造業に11年間従事し、2023年4月に「石原梨園」で就農した。妻の両親の石原吉明さん(66)、芳美さん(63)夫妻と3人で営農する。きっかけは子供の成長で「学校行事や体調を崩した時のために時間を確保したいと思っても、サラリーマンでは融通が困難です。育児と仕事を両立させるため、就農を決意しました」と拓哉さんは話す。
 吉明さんから技術指導を受けながら、就農直後からできるだけ効率的に作業できるよう、複数の農機具を導入した。誘引作業では、マックス株式会社の誘引結束機「テープナー」を使う。片手で素早く枝と棚を結束できる。吉明さんは「手慣れた作業なので、自分には必要ないと思っていましたが、使い始めたところ作業効率が2割ほど上がりました」と話す。作業中に腕を上げる時間が減ったため、体力面でも楽だという。棚に沿わせずに誘引する際は従来の誘引ひもで結束するなど、臨機応変に対応している。

〈写真:テープナーで結束作業する拓哉さん〉

防風林「機能性表示食品制度のあり方見直しで思うこと【2024年5月1週号】」

 ▼紅こうじを含むサプリメント摂取による健康被害の問題が明らかになって1カ月を過ぎた。いまだに原因物質の特定や混入の過程など解明されておらず、不安が拭いきれない状況だ。届け出だけですむ機能性表示食品制度自体の問題を指摘する報道もあり、消費者庁は制度のあり方検討を始めた。
 ▼同制度を利用した表示は、野菜や果実などの農作物でも広がっており、議論の行方が気になっている。結果次第だが、少なからず影響が及ぶ懸念もあるからだ。農林水産省ホームページで確認すると野菜や果物の届け出は40品目近く、温州ミカンだけで20ほどの個人や団体が届け出ている。
 ▼農作物などの健康機能性は、農研機構などが成分の特定と解明を進め、農林水産省も生産者や団体による届け出を後押ししてきた。健康機能性の表示で産地の宣伝に役立つだけでなく、健康増進に寄与できる点で生産者の励みにもなる。
 ▼ただ、機能性表示食品の半数がサプリメントと聞くと分割も一案か。成分摂取が目的のサプリメントと丸ごと食べて味わいを楽しむ農作物は別物だ。

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