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今週のヘッドライン: 2024年03月 3週号

改正食品衛生法6月完全実施 手作り漬物、販売許可制に(1面)【2024年3月3週号】

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 改正食品衛生法が6月1日から完全実施される。自家製の漬物を製造・販売する場合でも衛生基準を満たす施設を整備し、所管する保健所の営業許可が必須になる。大きな影響が懸念されるのが、農家の手作り漬物が人気の農産物直売所だ。多額の資金が必要となる施設整備を諦め、高齢者を中心に漬物の出荷をやめる人が出始めている。岩手県二戸市の農産物直売所ふれあい二戸でも、無利子融資なども検討しているが、6月を境に出荷者が大きく減る見通しで、対応に苦慮している。

(1面)

〈写真:ふれあい二戸の店内で漬物を陳列する小笠原さん〉

食料・農業・農村基本法 改正案の要点〈1〉(1面)【2024年3月3週号】

 政府は、国の食料・農業・農村政策の基本的な方向性を示す「食料・農業・農村基本法」の改正案を国会に提出した。関連法案3本とともに一括審議を求め、予算成立後の4月から審議が本格化する見通しだ。食料安全保障や環境との調和などを掲げる改正案のポイントや背景事情などを連載で紹介する。

(1面)

環境直払交付金 2025年度から要件見直す方針(2面・総合)【2024年3月3週号】

 農林水産省は7日、環境保全型農業直接支払制度に関する第三者委員会を開き、2025年度からの第3期対策に向けた見直し方針を示した。水稲作で堆肥の施用やカバークロップに取り組む場合、温室効果ガス(メタン)削減対策となる長期中干しや秋耕などとのセット実施を要件化し、温室効果ガスの排出削減や生物多様性保全とのトレードオフ(両立できない関係性)の解消を図る。気候変動の影響が顕在化する中、同省は施策の見直しなどを進めて農業分野の環境負荷低減を促す考えだ。農家の高齢化や担い手不足が深刻化する中、適正な価格形成も含めた生産現場の負担感を増さない仕組み作りが求められる。

(2面・総合)

園芸施設共済 特約で補償手厚く(3面・農業保険)【2024年3月3週号】

 台風や豪雨など自然災害の頻発化に伴い、園芸施設の被害も多発している。農業用ハウスの損害を補償し、再建を力強く後押しするNOSAIの園芸施設共済。標準コースのほか、経営のニーズに応じた特約が選択できるのも特徴だ。既に加入している人も更新時には特約を選択し、もしもの際の早期営農再開に向け、補償を充実させたい。園芸施設共済について、稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・農業保険)

未来農業DAYs 活躍する女性を表彰(5面・すまいる)【2024年3月3週号】

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 未来の農業を担う若者や女性による優れた取り組みを表彰し、社会に発信する未来農業DAYsが先ごろ開催された。2023年度農山漁村女性活躍表彰では、五つの個人・団体が農林水産大臣賞を受賞。このうち経営や産地づくりで地域活性化に貢献する女性起業・新規事業開拓部門と若手女性チャレンジ部門の事例を紹介する。また、若者の革新的なアイデアを競うコンペ部門でグランプリとなった事例概要も紹介する。

(5面・すまいる)

〈写真:複合経営と加工による優れた事業が評価された中井さん〉

農機研が有機拡大の機械技術など報告(9面・営農技術・資材)【2024年3月3週号】

 農研機構農業機械研究部門は7日、さいたま市で研究報告会を開き、農林水産省「みどりの食料システム戦略」が掲げる有機農業の拡大に貢献する成果などを発表した。有機栽培の稲作、野菜作で課題となる除草について、省力化・効率化の技術成果を紹介する。

(9面・営農技術・資材)

リンゴ新品種 高温に強く着色良好【青森県・3月3週号】

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 【青森支局】板柳町深味の八木橋勝英さん(69)は、昨秋からリンゴ新品種「深味バーニングレッド」の苗木の販売を開始。この品種は、見た目も食味も良く、着色作業の効率化や高温に強いといった特徴もあり、今後の地域活性化にもつながるのではと期待を寄せる。

〈写真:「深味バーニングレッドが普及すれば高齢化や人手不足、異常気象などの解決にもつながるのでは」と八木橋さん〉

通年出荷を実践 野菜50品目【福井県・3月3週号】

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 【福井支局】料理人から農家へ転身した坂井市三国町の袖貴博さん(45)は、ハウスと露地でトマトやホウレンソウ、白ネギなど50品目以上の野菜を家族とともに生産する。冬場でも、白ネギやスティックブロッコリー、芽キャベツなど10品目以上を出荷し、年間を通した生産と他農家との差別化を図っている。

〈写真:スナップエンドウの生育を確認する袖さん。三国町にある直売所のほか、県内のレストランに出荷する〉

野菜の訪問販売 多彩な品種でアピール【宮城県・3月3週号】

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 【宮城支局】栗原市高清水の武川正悦さん(65)はハウスで栽培した野菜を軽トラに積んで、市内を中心に訪問販売を行っている。武川さんの野菜は多品種が売りだ。冬は蕾菜だけでも4品種、夏はトマト8品種など一年通して約30種類を栽培している。

〈写真:「新たな品種に挑戦していきたい」と武川さん〉

えぐみ少ないコマツナ栽培【岩手県・3月3週号】

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 【岩手支局】一関市藤沢町のふじっ子ファームの藤森学さん(43)は、栽培管理や品種選定の工夫で売り上げを伸ばそうとしている。「うちの野菜はえぐみが少ないのが特徴」と藤森さん。化学肥料を使わず栽培し、えぐみのもととなる土壌の硝酸態窒素を抑えるために、発芽するまでは多めに水を与えるという。

〈写真:「農でつながる家族の輪」をテーマに農業に取り組む藤森さん〉

防風林「食卓が結ぶ家族の縁【2024年3月3週号】」

 ▼家族で食卓を囲むことはなく、個々に好きなものを好きな時間に食べる。食や健康管理も含め互いの生活に干渉しないことを「個の尊重」と言う。食卓を定点観測の場とし、現代家族の実態と変容、背景事情を考察する岩村暢子氏の著書『ぼっちな食卓―限界家族と「個」の風景』(中央公論新社)を読み、家族の在り方を考えさせられた。
 ▼同書は、首都圏の240家庭を対象に1998年から2009年に実施した初回調査の10年後(89家庭)、20年後(8家庭)の追跡調査をまとめた。初回調査を紹介した以前の著書では、菓子パンだけの食卓など調理をしない家庭が多く驚いた。今回は、食卓を囲む行為自体を敬遠する家庭が増え、同じ食卓にいても孤食する実態が浮かぶ。
 ▼残念なのは、問題行動や不和状態が深刻化する家庭が増え、10年後調査で円満と判断できたのは7、8軒に1軒という少なさだ。岩村氏は、特殊な事例が集まった訳ではなく、社会の変化が家庭を変容させたと指摘する。
 ▼円満家庭には食卓を囲む共食の機会が多く、単身赴任や出張、交替制勤務など不規則な勤務が少ない点が共通するそうだ。「わが家は大丈夫」と言えますか。

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