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今週のヘッドライン: 2024年02月 4週号

食・農の価値伝えたい 農業体験や実習を受け入れ(1面)【2024年2月4週号】

 「南高梅」の産地でウメ6ヘクタールなどを栽培する和歌山県みなべ町西岩代のなかはや果樹園代表の中早大将〈だいすけ〉さん(42)は、園地を訪れる高校生や大学生、行政職員などの農業体験や実習を積極的に受け入れる。食農教育を通じて、なかはや果樹園やみなべ町、ひいては日本農業の理解者を増やしたいとの思いが強い。体験で出会った人たちにウメを届けようと、加工委託した梅製品を販売する株式会社えんを昨年4月に設立。人と人とのつながりを大切にしつつ、経営発展を進めている。

(1面)

地域と共に発展 農業共済新聞全国研修集会で講演(1面)【2024年2月4週号】

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 NOSAI協会(全国農業共済協会、髙橋博会長)は14日、「2023年度農業共済新聞全国研修集会」を東京都内で開いた。株式会社フットボールクラブ水戸ホーリーホック取締役ゼネラルマネージャーの西村卓朗氏が「プロサッカークラブの農事業への挑戦」をテーマに講演した。要旨を紹介する。

(1面)

〈写真:(株)フットボールクラブ水戸ホーリーホック取締役ゼネラルマネージャー西村卓朗氏〉

スマート農業促進法案 先端技術の開発・導入後押し(2面・総合)【2024年2月4週号】

 農林水産省は21日、今国会に提出するスマート農業技術の活用の促進に関する新法案(仮称)の骨子を自民党農林関係合同会議に示し、了承された。基幹的な農業者の減少が見込まれる中、スマート農業技術の開発・普及を後押しし、生産性向上を図るのが狙い。スマート農業技術の効果を発揮させる新たな生産方式の導入を促す「生産方式革新実施計画」(仮称)と、開発普及を促す「開発供給実施計画」(仮称)の認定制度を創設。長期低利融資や行政手続きの簡素化など支援措置を講じる。農家の高齢化や担い手不足が進む生産現場では、先端技術の導入・普及への期待は大きい。導入コストの負担軽減など生産現場での導入・活用が進む実効性ある制度設計が求められる。

(2面・総合)

猛暑、干ばつ、獣害 備えの重要性を伝える(3面・NOSAI)【2024年2月4週号】

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 自然災害や獣害が頻発する中、NOSAIひょうご(兵庫県農業共済組合)では、備えの重要性を組合員に伝える共済連絡員(NOSAI部長)が活躍している。自らが被災した経験を基に、農業保険への加入を熱心に呼びかける丹波篠山市と小野市の共済連絡員2人を取材した。

(3面・NOSAI)

〈写真上:青色申告の利点を松木定和さん(中)と隆宏さん(左)に説明する小野加東事務所の大西浩子所長〉
〈写真下:情報共有を欠かさない林幸雄さん(左)と丹波篠山事務所の中田偉さん〉

2023年農産物輸出 9064億円で過去最高(4面・流通)【2024年2月4週号】

 2023年の農産物輸出額は前年比2.3%増の9064億円と過去最高を更新した。米や牛肉、緑茶などで伸びが顕著だった。コロナ禍の収束で世界的に人々が外出して飲食する機会が増え、円安も追い風となった。日本産農産物は品質や食べ方などに特色がある品目が多く、長期的な輸出拡大には食文化を含めた提案が求められる。生産者団体や輸出事業者などで構成し、輸出促進に取り組む品目団体に現状と展望を取材した。

(4面・流通)

地域を次代につなぐ 生産・経営の改善に努め恩返しを(5面・すまいる)【2024年2月4週号】

 「これまで地域の人にしてもらったことを今度は自分が次の世代に返していきたいですね」と笑顔で話す、群馬県甘楽町で村西農園を経営する村西真典(まさのり)さん(39)。耕作面積約55アールでナスとインゲンを柱に多品目の野菜を栽培する。Iターンで新規就農して10年目を迎えた現在、農業を本気で頑張る人をサポートしたいと研修生を受け入れはじめた。

(5面・すまいる)

文字入りメロンや加工品で差別化【石川県・2月4週号】

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 【石川支局】能美市上開発町の吉川農園代表・吉川香里さん(55)は、アールスメロンを主力に25品目の野菜を栽培し、「文字入りメロン」やメロンと野菜のギフト、加工品を開発するなど差別化を図る。
 2019年から「文字入りメロン」を販売していて、記念日のサプライズとして幅広く利用され、好評を得ている。「最近では『結婚しよう』という文字の受注が印象深かったです」と吉川さんは笑顔だ。
 20年には「メロン農家のメロン・ダックワーズ」の取り扱いを開始。昨年はメロンジュースを手がけ、昨年10月には、新たに焼き菓子の商品開発を開始した。「今後も新たな客層づくりのため、さまざまなことに挑戦していきたい」と意気込みを話す。

〈写真:「能美市と連携し、農業体験などの食育にも力を入れています」と話す吉川さん〉

キッチンカーをもみ殻トレーラーに【福島県・2月4週号】

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 【福島支局】須賀川市で水稲10ヘクタールを作付ける根本吉則さん(42)は、もみ殻運搬の労力を軽減するため、キッチンカーをトレーラーに改造した。
 キッチンカーはリサイクル店で購入し、配線などの作業は同店に依頼。投入口や通気口の設置、けん引部分は根本さんが自ら行った。改造に3カ月半かかったが、製作費は全体で10万円ほどで済んだ。
 従来使用していたトレーラーよりも高さと長さがあり、多くのもみ殻を積載できる。積載量は3倍になり、側面と後ろ2カ所から下ろせるため、もみ殻の排出時間は今までの3分の1まで短縮できたという。

〈写真:「もみ殻の投入口にはプラスチックのマンホールを使用した」と根本さん〉

労力軽減へ「りんどう千鳥疎植栽培」【岩手県・2月4週号】

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 【岩手支局】岩手県農業研究センターは、リンドウを慣行栽培の2倍の株間で千鳥状に栽植し、株仕立てを20本以上とする「りんどう千鳥疎植栽培(以下=千鳥疎植栽培)」を確立。作業時間の短縮や商品化本数の増加で、収益増を見込む。
 慣行栽培のリンドウは株間を18センチ、1株の株仕立て本数は10本ほどで植栽。一方で、千鳥疎植栽培は千鳥状に植栽して株間を36センチ、株仕立て本数を20本以上で栽培する。
 岩手県が育成したリンドウ「いわて夏のあい」に千鳥疎植栽培を適用すると、定植3年目以降で春の立茎数は慣行栽培と同等以上、10アール当たりの株仕立て時間は慣行栽培の49~70%に短縮した。10アール当たりの商品化本数は111~157%で、販売額が慣行栽培を上回った。

〈写真:千鳥疎植栽培の実証の様子(2023年5月31日撮影、写真提供=一関農業改良普及センター)〉

特産「徳地やまのいも」に情熱【山口県・2月4週号】

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 【山口支局】「ヤマノイモ栽培は、掘ってみるまで形が分からないので、苦労はしますが、楽しみでもあります」と話すのは、山口市徳地の徳地やまのいも生産組合の組合長・伊藤三枝子さん(75)。
 伊藤さんは約11アールで「徳地やまのいも」を栽培する。「4月中旬から5月末に種イモを植えますが、昨年は雨の日が少なく、水分を好むヤマノイモの栽培管理には苦労しました」と振り返る。
 「自分のペースで収穫できるのが栽培の魅力」と伊藤さん。出荷時期は11月から3月までと長く、傷付けないように手作業で1個ずつ丁寧に掘っていく。

〈写真:「ヤマノイモは首が短く、ひげ根が少なく、表面が波状になっているのが特徴」と伊藤さん〉

ラナンキュラス「てまり」シリーズ/秀品率向上目指す【香川県・2月4週号】

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 【香川支局】観音寺市豊浜町の合田道雄さん(77)は、ハウス6.6アールで、ラナンキュラスの香川県オリジナル品種「てまり」シリーズを栽培する。
 キク栽培に取り組む一方で、冬場をカバーする収益性の高い花を探していた合田さん。香川県西讃農業改良普及センターの勧めで、2019年にラナンキュラスを取り入れた。てまりシリーズで流通する10品種のうち、「紅てまり」「雪てまり」など8品種を栽培する。同センターの安藤岬技師は「高品質な切り花を目指し、細やかな管理をされています」と話す。
 11月から3月までの年間出荷量は3万本。1株から15本ほど収穫する。同じ栽培面積のキクと比べ、収穫量は約2倍に増えた。
 2年目からは、土壌診断の結果を基に肥料を抑えた土作りに取り組んだ。収穫作業で使うハサミは、筋ごとに取り換え消毒する。

〈写真:「水あげが良いので花持ちする」と合田さん〉

防風林「被災地に伴走して復旧・復興見届ける【2024年2月4週号】」

 ▼能登半島地震ではウェブ上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)による支援が広がっているという。自分も何かしたいと少額だが二つ寄付した。週に1度ほどメールが届き、支援者の数と寄付金総額に近況報告なども添えられ、少しは役に立ったとうれしくなる。
 ▼本来、CFは新規事業の資金集めなどに使われてきた。目標金額に達した場合だけ実行者は資金を手にし、支援者は何らかの対価を得る仕組みだ。災害時に実施されるCFでは、目標金額に達しなくても支援金が渡され、基本的に支援者への対価はない。
 ▼自分が寄付したプロジェクトもメールの報告のみと書かれていたが、これほど頻繁とは思わなかった。最近のメールでは、ようやく水道が復旧したとあり、ほっと胸をなで下ろしている。ただ、週に1度の頻度となると担当者の負担にならないか心配だ。
 ▼半島の地形も影響し、水道や道路といったインフラの復旧が大幅に遅れ、復興には相当の年月がかかるとの予測もある。近況を知れば新たな課題や必要な支援も見えるのではないか。目標達成まで伴走したい。

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