今週のヘッドライン: 2024年01月 2週号
1日、石川県能登地方を震源とし、最大震度7の揺れを観測した「能登半島地震」。地震活動は依然として活発な状態で、気象庁では引き続き、強い揺れを伴う地震への警戒を呼びかけている。家屋の倒壊や土砂崩れ、地盤隆起のほか、沿岸部では津波による被害も確認され、道路の寸断による集落の孤立など能登地方を中心に甚大な被害が出ている。石川県によると、11日午前9時現在の死者は213人、安否不明者52人、負傷者は567人に上っている。
農林水産業関連にも甚大な被害が出ている。農地や農業用施設は500カ所以上、畜産農家の施設損壊が40件、山地災害なども170カ所以上発生。今後も調査の進展により拡大する見通しだ。
香川県観音寺市丸井地区の有限会社フジカワ果樹園(藤川寿夫代表、68歳)は「まるい未完塾」の名で独立希望者を正社員として雇用し、研修を実施。ミカン産地の維持・振興に向け、人材育成に力を入れている。これまで4人が同地区で就農し、現在は1人が研修中だ。独立後も技術指導を継続して経験不足を補うほか、販売面も支援。安心して営農できる環境を整え、経営確立をサポートする。
政府は1月26日召集予定の通常国会に食料・農業・農村基本法改正案と関連4法案を提出する。基本法改正案は「食料安全保障の抜本的な強化」「環境と調和のとれた農業への転換」「人口減少下における生産水準の維持・発展と地域コミュニティの維持」を柱とする方針。関連法案は不測時の食料確保に向けた枠組みの創設とスマート農業を振興する二つの新法と、農地の総量確保と適正・有効利用に向けた農地関連法改正案、食品原材料の調達安定化で金融・税制措置を整備する特定農産加工業経営改善臨時措置法改正案を予定する。国内外の情勢は大きく変化し、国内生産の拡大を基本とした持続可能な食料供給基盤の構築は待ったなしだ。
2023年分の確定申告は3月15日が申請期限だ。特に青色申告は、農業者に節税や経営管理などのメリットがあるほか、経営や生活への制度による支援措置なども多い。老後の備えとなる農業者年金では、若年層向けに青色申告者などを要件とする保険料補助があるなど、制度の活用で経営や生活の安定を図ることができる。控除など税制面のメリットもある。
2024年は「辰(たつ)年」。「農」の漢字に含まれる「辰」は、土を耕す農具に由来するとの説もある。近年の気候変動の中、販路拡大や安定生産などへの道筋を"耕す"若手農業者3人に新年の抱負を聞いた。
日本特産農産物協会(雨宮宏司理事長)はこのほど、2023年度の地域特産物マイスターを認定した。新たに加わった9人の活動や技術の概要を紹介する。
農林水産省はこのほど、2023年農業技術10大ニュースとして10課題の研究成果を発表。1位には農研機構が開発したスマートフォンなどで果樹の開花に必要な低温積算時間を把握できるシステムが選ばれた。1年間で新聞記事になった研究成果から、内容に優れ社会的関心が高いと考えられる課題を、農業専門紙・誌の記者による投票で選定した。概要を紹介する。
▼年明け早々に石川県能登半島など北陸地方を大地震が襲った。亡くなった方々のご冥福を祈る。真冬の災害で不自由な避難生活を余儀なくされている方々の心労を思うとかける言葉も浮かばず、ニュースを見る都度気持ちが沈む。
▼寸断された道路の復旧が進むにつれ、支援物資も届き始めているよう。頼もしく感じたのはトイレトレーラーの存在だ。断水などで避難所のトイレ事情が悪化する中、水洗・洋式のトイレを備えた10台以上のトレーラーが派遣され、喜ばれている。
▼トイレトレーラーの災害派遣ネットワーク化を呼びかける団体によると、災害対策として、これまで20の自治体が導入し、300の自治体が導入を検討中という。1台で2千万円ほどの費用は、ふるさと納税で寄付を募るなど工夫を凝らす。
▼能登地方に多い棚田も含め中山間地域の農業関係被害も今後明らかになろう。過疎地域でもあり、復旧・復興の困難が予想される。予算措置にとどまらず、多くの人の参画を実現できる継続的な支援を望みたい。