ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2023年01月 2週号

みんなでつくる水田の未来 良食味米の経費「自給家族」が負担 ―― (一社)押井営農組合(愛知県豊田市)(1面)【2023年1月2週号】

230119.jpg

 愛知県豊田市・押井集落の集落営農組織「一般社団法人押井営農組合」は、中山間地域で良食味米生産を続けるための経費分を、都市住民などの契約者が支払う「自給家族」として展開する。100家族が契約し、特別栽培の玄米60キロの供給見込みに対して、地元農家と同等の栽培経費3万円を負担。水田約3ヘクタールの維持に貢献している。「水田を守るため"高く売る"から、"みんなでつくる"に発想を切り替えた」と代表の鈴木辰吉さん(70)。稲作自体は組合が担う一方、地域行事などに招き、交流の場を設ける。安定した食の確保を求める消費者と、集落存続を目指す地元農家が対等な関係性で水田維持を図る。

(1面)

〈写真:「ミネアサヒ」を渡す代表の鈴木辰吉さん(右)。契約者の鈴村さん夫妻(左)が車で集落を訪れた〉

食料・農業・農村基本法改正へ 6月にも大枠示す 食料の生産・供給基盤強化を(2面・総合)【2023年1月2週号】

 野村哲郎農相は6日、記者会見で「食料・農業・農村基本法の改正に向け、国民的コンセンサスを形成できるよう議論を積み重ねていく」と述べた。岸田文雄首相は12月27日に開いた食料安定供給・農林水産業基盤強化本部で、2023年度中の基本法改正案の国会提出を視野に、6月までに政策の新たな展開方向を取りまとめるよう野村農相らに指示しており、同日に決定した「食料安全保障強化政策大綱」で過度な輸入依存からの脱却など一定の方向性を示している。農業・農村を巡る課題が山積する中で、担い手と農地の確保などを基本に持続可能な農業生産の道筋をつけ、食料安全保障の強化に向けた展望を示せるかが焦点となる。

(2面・総合)

日本海側中心に記録的降雪 NOSAI 早期支払いへ全力(2面・総合)【2023年1月2週号】

 西高東低の冬型の気圧配置となり、上空に強い寒気が流れ込んだ影響で、昨年12月中旬以降、北日本から西日本の日本海側を中心に記録的な降雪に見舞われている。農業関係では北海道や山形県、新潟県など全国の広い範囲で農業用ハウスや果樹などに被害が確認された。23日には中国や四国、九州北部なども大雪となり、被害が発生した。
 被災地域のNOSAIでは、被害状況の把握を急ぐとともに、共済金の早期支払いへ適正な損害評価に組織を挙げて取り組んでいる。収入保険の加入者にはつなぎ融資の早期貸し付けに向け、被害申告を呼びかけている。

(2面・総合)

消費税のインボイス制度 中小事業者向け 支援措置を拡充へ(3面・ビジネス)【2023年1月2週号】

 政府は12月23日、2023年度税制改正大綱を閣議決定し、今年10月に開始される消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、主に中小事業者を対象とした新たな支援措置を決めた。事業者の税負担や事務負担の軽減が狙い。1万円未満の少額取引はインボイス(適格請求書)を不要とするほか、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換すると売上税額の2割を納税額にできる特例を設ける。ただ、課税事業者になると消費税の申告が必要となり、免税事業者は自らの経営を踏まえた判断が求められる。

(3面・ビジネス)

農研機構 軽トラ型の小型自動運搬トラック開発 中山間地でもスイスイ 農道環境認識するシステム搭載(9面・営農技術・資材)【2023年1月2週号】

 苗箱を積んだ無人の軽トラックが農道を進む。農研機構などは先ごろ、開発した小型自動運搬トラックを、埼玉県鴻巣市の農道で実演した。農場を再現した仮想空間上のデジタルマップに経路を事前設定し、全球測位衛星システム(GNSS)の位置情報に基づき走行。走行の開始・停止などは、遠隔監視システムと連携したタブレット端末などで遠隔操作する。車体には、路面を検出するカメラやレーザー光を応用したセンサーなどを設置し、GNSS信号の測位が不安定な中山間地などでも、継続した自動走行が可能という。さらに実証を進め、社会実装化を目指す。

(9面・営農技術・資材)

アレンジ楽しむ餅󠄀料理 ―― 料理研究家の大石寿子さんに聞く(5面・すまいる)【2023年1月2週号】

 正月用に用意した餅󠄀が、使い切れず冷蔵庫の中に眠っている家庭も多いだろう。雑煮やお汁粉など定番の味だけでなく、アレンジをきかせて、おいしく、楽しく食べきりたい。料理研究家の大石寿子さんに、餅󠄀を使った簡単レシピを聞く。

(5面・すまいる)

2022年度地域特産物マイスター 卓越した技で産地を先導(10面・特集)【2023年1月2週号】

 日本特産農産物協会(雨宮宏司理事長)はこのほど、2022年度の「地域特産物マイスター」を認定した。新たに加わった11人の活動や技術の概要を紹介する。

(10面・特集)

防風林「世界を混乱させるならず者と絶対的権力者【2023年1月2週号】」

 ▼米国の調査会社ユーラシア・グループは先ごろ、2023年の10大リスクを発表し、1位に「ならず者国家ロシア」、2位に「『絶対的権力者』習近平」を挙げた。「少数の個人が桁外れに大きな力を持ち、透明性のない中で限られた情報をもとに地政学的に重大な決定を下している」と問題を指摘する。
 ▼また、「彼らの行動には、監視も専門家の関与もチェック・アンド・バランスも存在しない」との記述もある。自国で抑制がきかない状況なら国際社会の対応が重要と思う。しかし、今のところ経済制裁も外交交渉もロシアを動かす力になっていない。ニュースで知る限り、両国トップに君臨する2人は強気の姿勢を崩さず、不安感が募る。
 ▼政府は昨年末、国家安全保障戦略など3文書を閣議決定し、敵国のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」の保有を明記。岸田首相は防衛費の大幅増を明言した。
 ▼年末のテレビ番組に出たタモリさんは23年が「新しい戦前」になる可能性に触れた。何があっても戦後を続ける努力を求めたい。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る