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今週のヘッドライン: 2021年12月 3週号

記者座談会 この一年 現場が展望持てる農政を(1面)【2021年12月3週号】

 2021年は、前年からのコロナ禍の影響で農産物の需給が変化し、品目によって需要減少や価格低下など厳しい課題に直面した。業務用需要の減退と在庫の増加などを背景に21年産の主食用米は概算金が引き下げられ、需給と価格の安定には、22年産はさらに4万ヘクタールの作付け転換が必要とされている。また、農林水産省は5月、農業の生産力向上と持続性の両立を目指す「みどりの食料システム戦略」を策定。50年までに農林水産業の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにするなどの目標達成に向け、予算や施策に反映する方針だ。今年は昨年末から続いた大雪をはじめ、7、8月の大雨など自然災害も多発した。この一年の農業・NOSAIをめぐる情勢や展望を話し合った。

(1面)

今年の農業災害の特徴と対応は ―― 農林水産省経営局の谷睦枝保険監理官に聞く(1面)【2021年12月3週号】

 今年は昨年末からの大雪や、春先の東北や関東などでの凍霜害、7~8月の大雨による被害などが発生し、農業分野に大きな被害をもたらした。NOSAIは、収入保険のつなぎ融資の貸し付けや、適正な損害評価と早期の共済金支払いに尽力し、農家の経営安定に努めている。農業保険制度を所管する農林水産省経営局の谷睦枝保険監理官に今年の災害の特徴を聞いた。

(1面)

東京栄養サミット 問題解消へ共同宣言(2面・総合)【2021年12月3週号】

 国際的な栄養問題の解決方策を議論する国際会議「東京栄養サミット」は8日、「東京栄養宣言」を採択し、閉幕した。宣言では、先進国・途上国ともに低栄養と過栄養・肥満が混在する栄養不良の「二重負荷」に苦しんでいると指摘。国連の持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる2030年までの栄養不良問題の解消に、各国はさらなる行動を取ると明記した。

(2面・総合)

農水省 2021年産米作況指数は「101」の平年並みと発表(2面・総合)【2021年12月3週号】

 農林水産省は8日、2021年産水稲の全国の作況指数は101の「平年並み」と発表した。地域別で100を超えたのは北海道、東北、関東・東山、四国、沖縄で、北陸、東海、近畿、中国、九州は100を下回った。都道府県別では、北海道が108の「良」で最も高く、新潟が96の「やや不良」で最も低くなった。前回調査(10月25日現在)との比較では、沖縄が98から103に上昇したほかは変わらなかった。

(2面・総合)

地震、台風、豪雪など 建物総合共済で備えを 特約で補償内容を充実 水道管の凍結修理費も対象に(3面・農業保険)【2021年12月3週号】

 近年は地震や大雪、台風など自然災害が激甚化している。2月に発生した福島県沖地震は、東北地方を中心に住宅や納屋など、建物に多数の被害をもたらした。NOSAIの建物共済は2020年度、約157億円の共済金を支払い、農家の生活再建を支えた。地震など自然災害を含む幅広い被害を補償する「建物総合共済」に加入し、被害に備えてほしい。建物共済の仕組みについて稲穂ちゃんが、NOSAI職員のみのるさんに話を聞いた。

(3面・農業保険)

日本最古級のブランド米 「江刺金札米」の歴史を探る ―― NOSAI岩手 胆江地域センターの小玉克幸主査に聞く(5面・すまいる)【2021年12月3週号】

 日本最古といわれるブランド米、岩手県奥州市江刺の「江刺金札(きんさつ)米」が100周年を迎えた。郷土史家として、江刺から始まった岩手米改良の歴史を掘り越こし、「江刺金札米学会」シンポジウムで講演したNOSAI岩手(岩手県農業共済組合)胆江地域センターの小玉克幸主査に、記念事業に参画した手応えや思いを聞いた。

(5面・すまいる)

大豆 収量増を後押し 灌水適期を知らせるシステム開発 ―― 農研機構東北農業研究センター(7面・営農技術・資材)【2021年12月3週号】

 農研機構東北農業研究センターは、見極めが難しい大豆作での灌水(かんすい)適期の判断を支援する「大豆灌水支援システム」を開発した。インターネット上で運営するシステムに生産者の圃場位置や出芽日などの営農情報を登録。農研機構の気象や土壌の情報を組み合わせて、センサーは使わずに高い精度で日単位の土壌水分を推定し、灌水時期の意思決定を支援する。排水対策や高能率化した耕うん作業などと組み合わせた実証では、29%の増収が確認された。現在、商業利用向けサービスの開始に向けて準備を進めている。

(7面・営農技術・資材)

防風林「濃厚な接触の機会がない若者たち【2021年12月3週号】」

 ▼例年であれば忘年会シーズン真っ盛りの師走だ。しかし、コロナ禍に配慮し、忘年会開催を見送る企業なども多いという。電車で帰宅する際にも酔って寝ている人をほとんど見かけない。いつも見る農家のブログなどでも大人数の宴会は自粛し、家族や少人数で楽しんでいるとの記述が多い。
 ▼総務省の家計調査では、今年10月の飲酒代は、コロナ禍前の一昨年10月比で6割近く減少した。一方で酎ハイ・カクテルの消費は5割近く増え、家飲みが定着していると分かる。12月の家計調査はどの程度の増減幅になるだろう。
 ▼先日、帰宅で最寄り駅に降りたとき、酔った若者の集団とすれ違った。大声を出したり、道に寝転んだりと騒がしい。近くに大学があり、以前は遅い時間に帰ると何組も見かけたものだ。コロナ禍後は姿を消した。はた迷惑ではあるが、学生のころの自分も似たり寄ったりではなかったか。
 ▼コロナ禍では旅行も思うようにできなくなった。少ない予算で野宿もしながら友人と北海道を巡った夏休み、峠の駐車場で寒さに凍えた経験はいまも懐かしい。失敗から学ぶことも多いから、若いときにオンラインの交流では味わえない濃厚な経験するのも悪くないと思う。他人の酔っぱらいには近づきたくないけれど。

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