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今週のヘッドライン: 2021年04月 3週号

お好み焼きは県産キャベツで 大規模経営支えるスマート技術 ―― (株)Vegeta(広島県庄原市)(1面)【2021年4月3週号】

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 スマート農業で広島県産キャベツの増産へ──。広島県庄原市東城町の株式会社Vegeta(ベジタ・谷口浩一代表=55歳)は、キャベツの大規模栽培に取り組み、今年は延べ作付面積100ヘクタールを計画する。広域に分散する圃場で収穫時期をずらしながら、通年出荷を実現。お好み焼き用としてチェーン店や卸業者などに販売する。適期の効率的な作業を支えているのが、さまざまなデータを見える化する経営管理システムやドローン(小型無人機)の空撮画像をもとにした収量予測などのスマート技術だ。先進機器を活用しながら省力化を進め、中山間地の大規模経営モデルとして地域貢献を目指す。

(1面)

〈写真:育苗ハウスで谷口代表。苗はQRコードで品種や在庫を管理している〉

林野庁 森林・林業基本計画の骨子案示す 持続可能な成長を推進(2面・総合)【2021年4月3週号】

 林野庁は、森林・林業施策の基本方針となる新たな森林・林業基本計画の検討を進めている。このほど林政審議会(会長・土屋俊幸東京農工大学名誉教授)に示した骨子案では、森林の適正な管理を通して林業・木材産業の持続性を高め、発展させて豊かな社会経済を実現する「グリーン成長」を提起。木材の供給量(利用量)を2025年に4千万立方メートル、30年に4200万立方メートルにするなどの数値目標を設定した。持続的で健全な林業経営の実現は、水源かん養や景観など森林の多面的機能の維持に向けても重要だ。関係人口の拡大など多くの国民との関わりづくりも求められる。

(2面・総合)

農水省 海外持ち出し禁止の登録品種など1975公表 改正種苗法施行受けて(2面・総合)【2021年4月3週号】

 農林水産省は9日、優良な品種の海外流出防止を目的とした改正種苗法の施行に伴い、海外への持ち出しを禁止する登録品種など1975を公表した。
 北海道の「ゆめぴりか」、埼玉県の「彩のかがやき」などのブランド米、ブドウ「シャインマスカット」、イチゴ「スカイベリー」「あまおう」など、農研機構など三つの国立研究開発法人と42道府県が登録する水稲や果樹が中心だ。

(2面・総合)

園芸施設共済 補償額が大きく 共済金だけで再建可能に(3面・農業保険)【2021年4月3週号】

 昨年末からの大雪では、日本海側を中心に、園芸施設など農業分野でも大きな被害が発生した。自然災害による被害から園芸施設の再建を支えるのが園芸施設共済だ。4月から施設本体と被覆材の標準単価が引き上げられ、より補償が充実した。さらに、パイプハウスについては、恒常的な補強を施すことで、掛金が割り引かれる仕組みが追加され、より加入しやすくなった。園芸施設共済について稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・農業保険)

ツマジロクサヨトウ 42道府県に拡散し要注意 早期発見で定着を防げ(7面・営農技術・資材)【2021年4月3週号】

 飼料用トウモロコシやサトウキビ、ソルガムなど、イネ科作物に被害を与える農業害虫のツマジロクサヨトウ。国内では2019年に初めて発生が確認され、20年は42道府県に広がっており注意が必要だ。発見した場合は病害虫防除所などへの速やかな連絡とともに、薬剤などによる防除で、定着を防ぐ必要がある。外見の特徴や防除のポイントを紹介する。

(7面・営農技術・資材)

キッチンで楽しむ 水耕栽培 ―― 「All About」ガーデニングガイドの畠山潤子さんに聞く(5面・すまいる)【2021年4月3週号】

 普段なら捨ててしまう野菜の一部や、使い切れなかったハーブなどを水耕で再生する「リボベジ」が注目を集めている。エコにつながるだけでなく、キッチンなどのインテリアとしての魅力もある。インターネットの生活総合情報サイト「All About」でガーデニングガイドとして活動する畠山潤子さんに、おすすめの野菜や器選び、管理のポイントなどを聞いた。

(5面・すまいる)


米・麦・大豆・野菜+6次産業 バランス良く多角化推進【4月3週号 福井県】

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 【福井支局】あわら市角屋の株式会社グリーンファーム角屋(代表取締役社長=坪田清孝さん)は、埼玉県出身で同社の園芸・加工執行役員を務める齋藤貴さん(44)への第三者継承を目指している。石川県の農業法人に勤めていた齋藤さんは2017年から同社の営農の中心となって、妻の翔子さん(39)と、水稲、大麦、大豆に加え、園芸、みそや漬物の加工・販売に取り組む。

〈写真:米と加工品を前に齋藤さん夫妻。米は少量の販売にも対応する。「作業スケジュールは地域の方と毎月打ち合わせしている」と話す〉

中国野菜ユーマイサイを経営の柱に【4月3週号 広島県】

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 【広島支局】広島市安佐北区安佐町の陳玉柱さん(41歳、ハウス16棟=38.5アール、露地370アール)は、甘い香りが特長の中国野菜「ユーマイサイ(油麦菜)」などの葉物野菜やキュウリ、ナスなどを栽培する。「将来はユーマイサイを柱の一つにしたい」と話す。9月上旬に種をまくユーマイサイは、10月下旬から5月終わりまでが収穫期。1日10ケース(約60キロ)出荷し、中華料理店にも卸す。中国の農家出身の陳さんは2004年に来日。農業で生計を立てるため、市などの事業を活用し、研修や農地の支援を受けて16年に独立した。「事業で土地をあっせんしてもらい、ここで農業を始めることになった。その後も快く農地を貸してもらうなど、地域の方にサポートしてもらい感謝している」

〈写真:「子どもの農業体験やギョーザパーティーを企画し、地域の活力につなげたい」と陳さん〉

ソーラーシェアリングでシイタケの新ブランド【4月3週号 鳥取県】

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 【鳥取支局】不動産管理のほか太陽光発電設備設置の業務支援などの事業を展開する株式会社エナテクスサービス(北栄町)では、農業と発電事業を同時に行うソーラーシェアリングに2016年から取り組んでいる。北栄高千穂太陽光発電所のソーラーパネルの下に、約4千本のシイタケの原木を設置。「サンシェードプリンス」と名付けた自社ブランドをインターネットで販売する。ソーラーパネルの下でシイタケ栽培を始めたきっかけは、パネルの設置に伴う周囲の維持管理にあった。夏場は雑草の成長が早く定期的な草刈りが必要だが、冬場は成長しなくなるのでパネル周りの作業がほとんど無くなる。そのため冬に収穫時期を迎えるシイタケ栽培に着目した。

〈写真:「プリンスを守るためにも寒い時期の袋掛けは欠かせません」と、しいたけプロジェクトマネジャーの有福さん〉

牧場の牛をネタに4こま漫画連載【4月3週号 北海道】

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 【北海道支局】新得町北新得地区の有限会社北広牧場(若杉政敏代表=64歳、乳牛・和牛の飼養頭数900頭)に勤める武藤美鈴さん(28)は、仕事の合間に4こま漫画を描き、雑誌に連載されて評判を呼んでいる。武藤さんは昨年の春、仕事が忙しく元気が無かった後輩を励ますため、初めて漫画を描いた。その後、同牧場の取締役・若杉真吾さん(37)が雑誌の記者に、「北広牧場に4こま漫画を描いている従業員がいます」と話したのがきっかけで、雑誌への連載が始まった。季節に合わせた話題のほか、牛のちょっとした笑える行動、牛がしていたら面白そうなことを、擬人化した牛で描き、素朴でユーモラスな漫画に仕上げている。ネタは、仕事中に牛を観察しながら考えているので、尽きることはないという。

〈写真:「いつまで連載されるか分かりませんが、ネタを考えながら楽しく仕事ができればいいですね」と武藤さん〉

防風林「暑熱順化で熱中症に備えよう【2021年4月3週号】」

 ▼毎年千人を超える熱中症の死亡者数ゼロを目指し、重症化を防ごうと、政府は4月から「熱中症予防強化キャンペーン」を始めた。9月まで展開する。昨年まで7月を強化月間としたが、改善しない状況を踏まえて大きく見直した。
 ▼4~6月は「暑熱順化やエアコンの早期点検の呼びかけ」をテーマに掲げる。暑熱順化は、適度な運動や入浴をして体を暑さに慣らすことだ。汗をかきやすい体にすると熱中症になりにくくなるという。個人差があり、4日から2週間程度の期間を要する。暑さから数日遠ざかると効果がなくなるそうで、取り組みの継続が大切だ。
 ▼ただ、自覚したいのは、年を重ねるほど汗をかきにくく、暑さへの反応も鈍くなることだ。昨年6~9月の熱中症による全国の救急搬送者のうち6割が65歳以上だ。東京では、屋内で死亡した高齢者の9割がエアコン不使用と報告された。暑くなる前にエアコンの動作を確認し、暑いときは迷わずエアコンで涼むことをお勧めする。
 ▼農業現場でもハウスや圃場での作業中に熱中症になる人は多い。今のうちに暑熱順化を始め、暑くなったら作業で無理をしない。命を守る行動を優先してほしい。


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