ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

今週のヘッドライン: 2020年12月 1週号

水田営農の展望 野菜で開く ―― 農事組合法人しのい夢ファーム(栃木県宇都宮市)(1面)【2020年12月1週号】

201202_1.jpg

 宇都宮市篠井町で水稲65ヘクタール、小麦、大豆各10ヘクタールなどを栽培する農事組合法人しのい夢ファーム(手塚秀一代表、65歳、組合戸数25戸)では、新たな収益源として加工用のニンジンを導入し、露地2.3ヘクタールで栽培する。農閑期の11月~翌年1月に収穫を迎えるため、年間を通じた作業の平準化を実現。収穫は女性が中心で、冬場の労働機会を創出している。今年からは、新たにブロッコリーを導入。排水性を高めて品質・収量の確保に努めており、水田営農の可能性追求に励んでいる。

(1面)

〈写真:ニンジンを手に右から手塚秀一代表、収穫作業を担う半田美知江さん、加藤一美組合員〉

全国NOSAI大会開く(1面)【2020年12月1週号】

 NOSAI協会(全国農業共済協会、髙橋博会長)は11月24日、東京都内で「『安心の未来』拡充運動令和2年度全国NOSAI大会」を開催した。頻発する自然災害や、新型コロナウイルスの感染拡大による社会経済活動への影響の中、全ての農業者にセーフティーネットを提供する同運動の展開に組織を挙げて取り組むとした大会決議を満場一致で採択した。

(1面)

2021年産米の需給対策:過去最大の転作に対応 飼料用米など支援を拡充(2面・総合)【2020年12月1週号】

 農林水産省は11月25日、主食用米の需給安定に向けた対応方向を自民党・農業基本政策検討委員会に示した。2021年産での転換拡大に向け、輸出用米や加工用米、麦・大豆、高収益作物の作付け支援を拡充。飼料用米の手取り確保では、災害による減収時の生産コスト支援のほか、都道府県が独自支援を講じる場合に、拡大面積に応じて国が追加的な支援を講じる措置を創設する。主食用米の需給安定には、過去最大規模となる6万7千ヘクタール(生産量36万トンに相当)の作付け転換が必要とされ、飼料用米などへの転換に安心して取り組める環境整備が求められている。新型コロナウイルス感染症に伴う中食・外食需要の減少も続いており、需要拡大や販売促進にも取り組むとしている。

(2面・総合)

NOSAI職員全国研修集会 6次化成功の鍵・メディア活用を学ぶ(2面・総合)【2020年12月1週号】

201202_2.jpg

 NOSAI職員全国研修集会(主催・全国農業共済職員協議会)が、「安心の未来」拡充運動令和2年度全国NOSAI大会に続き、東京都内で開催され、組織功労者表彰などを行った。
 後半の研修では、生産者や自治体の販路開拓などを支援するemotional tribeの井上嘉文さんが「なぜ、あそこの6次産業化はうまくいくのか? ― 個人がメディアの時代。コロナ後で変化する消費者動向とコミュニケーション ― 」と題して講演した。

(2面・総合)

〈写真:講演したemotional tribeの井上嘉文さん〉

経営に応じた加入の説明などNOSAIがサポート(3面・収入保険)【2020年12月1週号】

 青色申告を実施する個人経営農業者と、事業年度が2021年1~12月の法人経営体の新規の加入申請期限は12月末だ。収入保険は自然災害や価格低下のほか、新型コロナウイルスの影響も含め、農業者の経営努力では避けられない収入減少を幅広く補償する。安心して農業を経営するために収入保険は欠かせない。加入を考えている場合はすぐに最寄りのNOSAIに連絡してほしい。加入申請の具体的な手続きについて稲穂ちゃんがNOSAI職員のみのるさんに聞いた。

(3面・収入保険)

全国優良畜産経営管理技術発表会 地域連携で高い収益(7面・営農技術)【2020年12月1週号】

 中央畜産会は11月25日、2020年度「全国優良畜産経営管理技術発表会」をウェブ開催した。全国の推薦事例から選出された8事例を審査し、最優秀賞となる農林水産大臣賞4点、優秀賞4点を決定した。農林水産大臣賞の受賞者から、肉用牛飼養の2経営を紹介する。

肉用牛一貫経営◆酪農家と協力し素牛確保 互いが潤う仕組みに

株式会社壱岐ファーム(宮崎県新富町)  


肉用牛繁殖経営◆家族で見える化徹底 獣医とともに飼料改善

森岡良輔さん・恵理香さん夫妻(鹿児島県曽於市)  

(7面・営農技術)

乳・チーズ・ジェラート・肉を出荷 ヤギの市場拡大目指す【12月1週号 高知県】

201202_3.jpg

 【高知支局】「現在200頭飼育しているヤギを来年には600頭、5年後には2千頭に増やしたいですね」と話すのは、南国市にある株式会社「川添ヤギ牧場」代表の川添建太郎(かわぞえ・けんたろう)さん(40)。ヤギの飼育から販売まで取り組み、昨年10月、広島大学大学院の統合生命科学研究科博士課程に入学し、ヤギの品質向上の研究に力を注ぐ。ミルクのサンプルのほか、血液を遠心分離器にかけて血漿(けっしょう)を抽出・冷凍したものを広島大学に送り研究データを確認するなど、研究者としても精を出す日々だ。のホテルなどにも出荷する。

〈写真:搾乳機で搾乳中のヤギをなでる川添さん〉

酒造好適米「出羽燦々」作付け 米沢牛の餌に酒かす【12月1週号 山形県】

201202_4.jpg

 【山形支局】長井市平山の「農事組合法人権三郎農園」代表・片倉堅二さん(38)は肥育牛25頭と繁殖牛2頭を飼養するほか、酒造好適米「出羽燦々(でわさんさん)」1ヘクタールの栽培に取り組む。清酒から取り出された酒かすを肥育する米沢牛に食べさせ、その堆肥を有機肥料として圃場に返す「循環型農業」を実践する

〈写真:手の平サイズの酒かすを牛に与える〉

ヤーコン 甘味と広い用途が魅力【12月1週号 富山県】

201202_5.jpg

 【富山支局】小矢部市のヤーコン生産者や団体でつくる「いなばヤーコン倶楽部(くらぶ)」はヤーコンの特産化を目指し、会長の松井秀明(まつい・ひであき)さん(72)が経営する松井園芸を含め五つの団体で構成する。松井さんはヤーコンを約10アール栽培。収穫直後の糖度は10度から11度だが、2週間後には14度ほどになるという。いろいろな料理に合い、お薦めはゴボウの代わりにヤーコンを使ったきんぴら。糖度が高いため、砂糖を使わなくてもいいという。同倶楽部では、規格外品を活用し、タレやドレッシング、茶などの加工品作りにも力を入れている。

〈写真:「イベントへの参加や新聞などマスコミに取り上げてもらえるよう自分から呼び掛けをしている」と松井さん〉


樹上完熟果でフルーツビネガー【12月1週号 福島県】

201202_6.jpg

 【福島支局】福島市笹谷でモモ110アールとナシ110アール、リンゴ70アールを栽培する冨樫孝志(とがし・たかし)さん(42)は「フルーツ王国と呼ばれる福島の果実の魅力を伝えたい」と、フルーツビネガー「果樹園のフルビネ」を6次化商品として販売している。加工用は「樹上完熟」させてから収穫していて、「限界まで果汁を蓄えた果実は、芳醇(ほうじゅん)な香りと甘さが特徴」という。業者に委託して商品化。フルーツビネガーは、水やソーダで希釈して飲むのがお勧めだという。また、「料理のアレンジにも最適」と冨樫さんは話す。

〈写真:フルーツビネガーを手に冨樫さん〉


防風林「コロナ禍と向き合う日常で【2020年12月1週号】」

 ▼第3波とみられる新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は「Go To トラベル」のうち札幌市と大阪市を目的地とする旅行予約を一時停止し、既存の予約も支援対象から外した。経済停滞の長期化は自殺の増加を招くとの指摘もあり、感染抑制と経済対策のバランスをとるかじ取りは難しい。
 ▼感染が拡大する地域での発着を伴う旅行は、確かに感染のリスクが大きいだろう。こうした中で近場のホテルやレストランで宿泊や食事を楽しむ人が増えているという。巣ごもりの長期化でたまったストレスの発散ができ、「Go To」事業や自治体の支援策を利用すれば出費も抑えられるためだ。
 ▼つい1年前までは、息苦しく、眼鏡が曇るマスクの着用は、風邪を引いても避けていた。着け慣れるまでひもによる耳の痛みにも悩まされたが、今ではマスクを着けて一日の大半を過ごしている。コロナ感染症と向き合う「新しい生活様式」などに慣れたくはないけれど、いやも応もない日常が続く。
 ▼過日、誘われて都内のホテルで食事をする機会があった。入館はホテル内の施設利用者に限定され、入場時の検温など対策を講じている。意外と多くの人でにぎわっていたものの、非日常的な時間と空間を楽しめた。注意を怠る訳にはいかないが、息苦しさが和らぐ良い体験だった。

» ヘッドラインバックナンバー 月別一覧へ戻る