▼農業共済新聞主催の「新・日本の農村」写真コンテストは、今回で第49回となった。第1回の入選者発表は1976(昭和51)年の5月3週号だ。何と当時の最高賞である金賞と次点の銀賞は「該当者なし」。縮刷版を確認すると第2回も金賞、銀賞は「該当なし」、第3回の入選者掲載号は見つからず、第4回に新設した「最優秀賞」は該当なしで、金賞3点など各賞が選ばれていた。
▼数回分の上位入賞作品には「米価要求大会で」「村のゲートボール」など当時ならではの題材のほか、「刈り入れの日」「たばこどき」など変わらない作業や日常の様子もある。農家の庭先を歩く角隠しと打ち掛け姿の女性を写した「嫁入り」など昨今は見かけない懐かしい情景を捉えた写真もある。
▼本コンテストは、現代的な農業・農村や農民の姿をテーマとしてきた。上位受賞作の該当なしは、優れた作品を集めたいという当時の担当者たちの気概の表れだろうか。
▼作業に追われて余裕がないと言われそうだが、〝現代〟を記録することの意義は大きい。農家の皆さんもぜひご応募を。