農林水産省は18日、食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開き、次期酪農および肉用牛生産の近代化を図るための基本方針案を示した。2030年度の生乳生産目標量は23年度実績と同じ732万トンとし、牛肉(枝肉ベース)は1万トン増の51万トンに設定した。現行酪肉近は増産目標を掲げたが、コロナ禍などによる消費減退を背景に直面する脱脂粉乳の過剰在庫や枝肉・子牛価格の低下など「需給ギャップの解消」が不可欠とし、現状維持へと転換する。その上で、おおむね10年先とする「長期的な姿」として生乳は780万トン、牛肉は53万トンに引き上げる方針を掲げた。同省は3月中にも正式決定する。酪農・畜産の危機打破へ、需要拡大対策の抜本強化など生産者が展望を持てる環境整備が求められる。
(2面・総合)