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防風林「湯治の楽しみ方【2025年2月4週号】」

 ▼確定申告の時期を迎えた。この時期になると食卓に帳簿や領収書を広げ、そろばんを脇に置いて1週間ほどかけて青色申告の書類をまとめていた父親の姿を思い出す。まめな性格ではなかったので、申告書類の作成以前に、領収書と毎月の収支など1年分の帳簿整理に時間がかかっていたようだ。
 ▼申請を終えると父親は、果樹の剪定(せんてい)に出る2週間ほどの間に日帰り温泉や1、2泊の湯治を楽しんでいた。この冬の大雪で、山中に多い湯治宿は雪に覆われているだろう。世間から離れ、気持ちをリフレッシュするにはよい環境かも。
 ▼環境省は、温泉入浴に加え、周辺の自然や歴史、文化などを楽しむ滞在型のプランを「新・湯治」と名付け、温泉地の活性化を図っている。リフレッシュや健康長寿の場として、温泉地の魅力を引き上げる。
 ▼昨今は、仕事やプライベートの情報管理はパソコンやスマートフォンに集約され、メールや交流サイト(SNS)の確認などで気持ちを休める時間がない。湯治と割り切れば、何もしない時間も作れるはず。電源を切って出かけてみてはどうか。