【山形支局】「青色申告を始めたのは、研修会への参加がきっかけだった」と話すのは、飯豊町小白川の佐原一治(さわらかずはる)さん(67)。2018年1月に置賜地域で開催された青色申告研修会に参加した佐原さんは、同年3月に税務署へ青色申告承認申請書を提出し、青色申告をスタートさせた。
稲作専門の兼業農家だった佐原さんは、当時、近隣の離農者から依頼を受けて作付面積が増え始めていた。研修会で青色申告は所得税の控除が多いほか、収入保険の加入要件であることを知り、魅力を感じたという。
当初は手書きで帳簿を作成していたが、白色申告に比べ提出書類が多く、計算や転記にミスがあると修正に手間と時間がかかることに苦慮していた。
佐原さんが申告用ソフトに興味を持ったのは、同町青色申告会に決算書を提出した時だった。他の農家がパソコンで作成したきれいな決算書を提出していたのを見て、使用しているソフトについて聞いてみた。
入力方法や購入価格、更新料などを比較検討した結果、経営規模や予算に合っていたため、最終的に鶴岡市の企業が販売するソフトを選んだ。このソフトを使用し始めたことで、自動計算や印刷機能を活用できるようになり、作業効率が大幅に向上。また、光熱費や通信料など、家庭用との事業割合を設定することで、案分作業も簡単に行えるようになった。「疑問点を電話で質問した時、画面を共有して教えてもらえたのも良かった」と話す。
〈写真:「ソフトの活用で、決算書作成が楽になった」と話す佐原さん〉