【埼玉支局】坂戸市の浅海哲(あさうみてつ)さん(35)は、両親と共に水稲22ヘクタールを栽培する。2024年3月に就農。「1年目は各作業を追うことで精いっぱいでした。実践を重ね、父の経営を引き継げるよう成長していきたい」と話す。
就農1年目における最大の課題は、200枚に及ぶ水田の把握だった。「両親は長年の経験から全圃場の位置を把握し、円滑に情報共有していましたが、自分自身が同じ水準へ達することは非常に困難でした」と振り返る。
そこで哲さんは、農作業記録アプリケーション「アグリハブ」を導入した。スマートフォンやパソコンで、農作業の記録と管理ができる。水田を作付品種ごとに色分けし、アプリ内の地図にマーキングすることで、全圃場の位置の把握に役立った。父・進さん(70)と地図を確認しながら情報共有することで、作業の重複や行き違いを防ぎ、スムーズな意思疎通が可能になったという。
〈写真:新米を手に哲さん。「面積当たりの収量を上げたい」〉