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防風林「震災に備える心構えを継承する【2025年1月3週号】」

 ▼成人の日の13日、日向灘を震源とする地震が発生し、宮崎市などで最大震度5弱を観測した。昨年8月にも日向灘を震源とする地震が発生し、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測。南海トラフ地震の想定震源域であり、平常時に比べ大規模地震の発生可能性が高まっていると政府は注意を呼びかけた。気象庁の報道発表では、今回は注意には至らないとしつつ、日頃の備えの重要性を強調している。
 ▼今年は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災から30年を迎える。死者は6400人を超え、農林水産被害も約900億円に上った。現在放送中のNHKの朝ドラ『おむすび』では、幼い頃に阪神・淡路大震災を経験した主人公が、東日本大震災に関わる姿も描かれている。
 ▼日本は自然災害が多い国といわれる。国土技術研究センターによると、国土面積は全世界の0.26%に過ぎない。しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.1%が日本にあるという。災害による全世界の被害金額の17.5%が日本の被害金額とのデータもあるそうだ。
 ▼阪神・淡路大震災以降、最大震度7以上の地震だけでも2004年10月の新潟県中越地震、11年3月の東日本大震災がある。この間に、ボランティアによる災害支援が定着し、政府などの支援策も強化されてきた。ただ、被災地域でも年数の経過とともに記憶が薄れ、備えの重要性を忘れがちとの指摘がある。災害の経験を風化させず、次代の人たちに伝える大切さを改めて考えたい。