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防風林「継承に重要な体験機会の提供【2025年1月2週号】」

 ▼子どもが農業高校に通っていた関係で、PTAのOB会が催す年明けの餅つき会を手伝っていたことがある。もち米は高校の田んぼの一画で栽培し、田植えや稲刈りはOB会と高校生が共同で作業した。稲作や餅つきなど、ほとんどが農家出身ではない高校生たちには、よい経験になっただろう。
 ▼餅つきもきねと臼を借りて本格的に行った。蒸したもち米は、臼に移してきねで十分にこねる。餅つきは初めてという親もいて「すぐつき始めるのかと思っていた」と感心された。テレビで見る餅つきにこねる場面などは出てこないのだから仕方がない。
 ▼実家では年末にお供えや干し餅用などいくつも餅をついた。正月に帰省すると兄や自分にいくつずつといや応なく指示があった。最近は餅も購入するようになり、きねと臼は納戸にしまわれたままになっている。
 ▼準備も含め作業の負担や手間などを考えれば妥当な選択だろう。しかし、年中行事がなくなる寂しさも感じる。餅つきのやり方を継承できるよう何らかの機会を作れないものか。