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モモ/農地借り受け規模拡大【岐阜県・10月4週号】

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 【岐阜支局】「収入保険は、規模拡大や収入増加に対応した基準で補償してくれるので思い切ったチャレンジができる」と話すのは、高山市国府町でモモ6ヘクタールを栽培する「合同会社つむぎ果樹園」代表の前坂治臣さん(37)。法人を設立した2021年当初から収入保険に加入している。
 主力品種の「白鳳〈はくほう〉」を中心に約30品種を7月上旬から9月下旬にかけて生産する。その中でも特に、糖度11度以上、重さ250グラム以上で一定の品質をクリアしたモモを「飛騨のたからもも」として19年にブランド化した。前坂さんは13年前の就農当初「飛騨のモモは、きれいな水や豊かな土、朝晩の寒暖差によって甘みが強くておいしい」と自信を持っていた。しかし、実際の販売価格が品質の良さに見合っていないことに疑問を持ったことがブランド化のきっかけになったという。
 現在、地域のモモ農家の平均年齢は70歳を超えていて、後継者も不足している。「次世代のためにもブランド価値を高め、品質に合った価格で販売したい」と前坂さんは話す。
 また、高齢などの理由で管理不能となった農地を借り受け、規模拡大にも取り組む。これまでに借り受けた農地は25件、3ヘクタールにのぼる。数年後の収穫に向け、人材を計画的に育て、体制を整えなければならないという。「社員の給料は絶対に払う必要がある。収入保険でその部分の心配がなくなり、安心して雇用ができるのはありがたい」と収入保険に期待する。

〈写真:前坂さん(右端)と前坂さんの両親(左端)、従業員〉