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リンゴ/葉とらず栽培に挑戦【岩手県・10月2週号】

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 【岩手支局】リンゴ園地50アールで「ふじ」や「つがる」などを栽培する一関市大東町の田渕健晴〈たけはる〉さん(36)、有季〈あき〉さん(29)夫妻。2021年から葉とらずリンゴの栽培に取り組む。収穫するのは樹上で完熟した状態のリンゴだけ。「たすあっぷる」と名付けて、インターネットなどで販売している。
 タスマニア島のリンゴ農園で、2013年から栽培のアルバイトをしていた健晴さんと有季さん。同農園で知り合った二人は結婚し、19年に帰国。先に大東町へ移住していた祖母に続いて、同町に移住した。タスマニア島で得た知識や技術を生かして、21年3月に同町の園地でリンゴ栽培を始める。
 「日本と海外では、日照時間や雨の降り方が全然違う。栽培方法も180度違った」と健晴さん。JAの青年部に所属してリンゴ栽培の情報を収集したほか、近くのリンゴ農家から栽培技術などを教わった。
 現在、「ふじ」「つがる」など9品種のリンゴを栽培する田渕さん夫妻。有季さんは「葉を残すと養分が実全体に行き渡るし、リンゴに味が乗りやすいので、葉摘みはしない」と話す。一方、実全体に色を付けるための玉まわし作業は増えた。有季さんは「作業は大変だが、おいしい赤いリンゴを作りたい」と話す。
 リンゴの木は200本あり、今年は6千キロの収量を見込んでいる。「地色の抜け方や皮面の雰囲気などを注意深く観察して、樹上で完熟した状態のリンゴを収穫する」と有季さん。収穫したリンゴは主にインターネットで販売する。

〈写真:「好きな品種は『ジョナゴールド』。甘さと酸味のバランスが良い」と田渕さん夫妻〉