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力合わせて薬草栽培【石川県・9月4週号】

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 【石川支局】薬草栽培を軸にさまざまな活動を展開する白山市神子清水町〈みこしみずまち〉の神子清水薬草組合。代表の山岸淳さん(71)は「学生との交流や新しいことへの挑戦は楽しい」と話し、メンバー13人は生き生きとした日々を送っている。
 同組合が管理する薬草園は、8年前に耕作放棄地を整備したもので、良品質の国産生薬生産を研究する金沢大学医薬保健研究域薬学系・佐々木陽平教授の指導を受け、トウキやシャクヤクなどを栽培している。
 主に栽培するトウキは、根の部分に冷え性改善などの効能があるといわれ、漢方薬の原料となる。5月に播種・育苗し、翌年5月に定植する。収穫は11月で、その後乾燥させて、翌年の4月にようやく出荷となる。
 連作障害を防ぐため、40アールずつのブロックローテーションを行う。獣害対策として電気柵を設置しているが、有害獣の侵入に苦慮しているという。
 通常廃棄される葉や茎を使った入浴剤や、葉を加工したパウダーを振りかけるソフトクリームなどを商品化し販売する。
 山岸さんは「採算性に課題はあるが、農地を守り、活気あるコミュニティーを維持したい」と話す。

〈写真:薬草のトウキの手入れをする山岸さん〉