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イチゴにスマート技術/高反収を実現【長崎県・9月4週号】

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 【長崎支局】南島原市の本多衛治さん(43歳、「ベリーファームホンダ」代表)は、外国人材8人を含む従業員9人と共に、イチゴ「ゆめのか」をハウス計89アールで栽培している。本多さんは、スマート農業を積極的に取り入れ、10アール当たり8776キロ、秀品率99.1%と高反収・高品質なイチゴ栽培を実現し、昨年度の「ながさき農林業大賞」で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
 10年ほど前から自動換気や炭酸ガス発生装置などを取り入れ、他県へ視察に行くなど、効率的な栽培方法や技術を率先して取り入れてきた本多さん。現在導入している「統合環境制御システムEvoマスター」は、換気装置や炭酸ガス発生装置、暖房などの附帯設備を、イチゴの生育に適した環境になるよう自動で調整するIoT(モノのインターネット)技術だ。
 また、ハウス内の温度、土壌の状態、二酸化炭素濃度などを測定し、スマートフォンでデータを管理する。
 「以前使っていた装置では、スマートフォンでハウス内の環境を見ることができても、現地でその都度操作しないといけなかった」と話す。現在、Evoマスターが適した環境に自動で調整。何かあれば自宅や出先でもスマートフォンを使って、ハウスの様子を確認できるため、安心して管理できるという。「このシステムのおかげで、装置の無駄な動作がなくなりました。さらに病気の発生が減り、経費削減につながった」と本多さん。
 「統合環境制御システムなどを使うことで、ある程度の環境を整えることはできるが、最終的に人の手で行う葉かきや摘蕾〈てきらい〉などの作業が、良いものを作る上では一番大切」と話す。本多さんは両親が高齢になってきたことを機に、外国人材を積極的に受け入れ始め、人材確保にもつなげている。

〈写真:「地域農業のために少しでも恩返しができれば」と本多さん〉