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能登半島地震で被災 感謝忘れず営農続ける【石川県・9月1週号】

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 【石川支局】七尾市中島町中島地区では、能登半島地震により畑地の排水路の損壊や水田の塩害が発生している。同地区で水稲14ヘクタールと「金糸瓜〈きんしうり〉」や白ネギなど野菜1ヘクタールを栽培する山本正秋さん(59)と妻の由美子さんは、今年の栽培計画を縮小することになったものの、前向きに営農に取り組んでいる。
 「周囲から無理するなと声をかけられ、除草を手伝ってくれた人もいる。感謝の気持ちを持って今後も営農を続けていきたい」と山本さんは話す。
 山本さん方では、ハウス7棟のうち4棟が被災。3月中に給排水設備を修理し、ゆがんだままのハウスで計画通り4千枚の水稲育苗を行った。
 全壊した納屋から運び出した農機具をハウスに格納したため、使えるハウスが不足し、予定していた夏野菜の植え付けを一部断念することになった。
 壁の崩落によって変形したコンバインや、落下した瓦が当たった田植機など、農機具の損害額は800万円を超える。ハウスの復旧には園芸施設共済の共済金を、農機具や関連設備の修理や購入には事業助成金などの利用を進め、来春の完全復旧を目指している。

〈写真:ピーマンの管理をする山本さん夫妻〉