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親子で挑む生薬産地化【山形県・8月4週号】

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 【山形支局】「国内で消費される生薬は輸入品が多い。国産生薬の栽培環境をつくっていけたら」と話すのは、山形市千手堂の株式会社朝日生薬で代表を務める生澤俊朗さん(65)。薬剤師として働きながら、息子の甲志郎さん(29)と共に生薬として知られる「オタネニンジン」を同市内で5アール栽培。種苗の販売を中心に行っている。
 オタネニンジンは播種から収穫まで6年の歳月を要する。標準的な栽培方法は研究機関により示されているが、気候や土壌で異なるという。同社では8月から芽切り処理を行い、12月に播種する。
 播種後3年はプランターで栽培し、その後は畝に植え替える。土壌の含水率は10%以上20%以下となるよう屋根を設置して調整。高温対策のため、今年からさらに多く寒冷紗〈かんれいしゃ〉をかける。
 「これからも試行錯誤しながら親子で力を合わせて頑張りたい」と2人は笑顔を見せる。

〈写真:生育状況を確認する俊朗さん(左)と甲志郎さん〉