岩手県釜石市は、加熱調理や加工に向くトマト「すずこま」の特産化に力を注いでいる。赤い色素のリコペンが豊富なため加熱しても鮮やかな赤色を保ち、食味に優れ、草丈が低く栽培しやすいのが特徴だ。試験期間を経て本格的な栽培に移行した今年は、6戸が計700株ほどを管理する。ジェラートやカレーなど業務用の利用が徐々に広がっており、市では実需者とのマッチングを図り、出口を増やして生産を振興していく考えだ。温暖で降雪が少ない気候を生かし、小面積でも所得確保が期待できる「釜石型農業」の確立を目指す。
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〈写真:「すずこまはゼリーなどにしてもおいしい」と話す佐々木さん〉