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ニーズつかむトマト経営/客層に合わせ納品【埼玉県・8月2週号】

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 【埼玉支局】滑川町伊古の株式会社グリーンファームらぱん(清家良夫代表取締役=53歳)は、ハウス11棟3.8ヘクタールでトマトを年間約400トン生産する。納品先との情報交換を通じて、消費者のニーズに則した高品質なトマトを出荷。自社ブランドの価値向上に取り組んでいる。
 生産したトマトはほぼ全量を県内のスーパーに出荷しており、1日当たり約10件の納品先へ、同社の従業員が直接配達している。配達時に、各スーパーのバイヤーと販売状況などの情報交換を行う。品切れせず、売れ残りしない適切な出荷量を把握することで、常に鮮度の良いトマトを店頭に並べられる。結果として、商品の返品率を大幅に下げることができるという。
 地域ごとに消費者層の傾向を聞き取り、ニーズに則した商品作りに努める。高齢者の多い地域では1袋当たりの重量を軽くして、持ち帰りやすいサイズで納品。郊外の大型スーパーは車で来店する家族連れが多いため、買い得感のある大袋で納品するなど、納品先の希望に沿って柔軟に対応する。
 鮮度を保持して出荷するため、収穫後は冷やしてから袋詰めし、出荷直前まで保冷庫で保管している。今後は運搬中も保冷できるよう、冷蔵車を導入して品質管理の向上を目指す。清家代表は「高品質な商品を良い状態で消費者へ届けることは、スーパーとの共通目標です。情報交換を通じて、消費者から信頼を得られるような商品づくりと提供に努めたい」と話す。

〈写真:トマトの生育を確認する清家代表(奥)と有賀義信取締役〉