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スマート農業導入/水稲作の請け負いなど大規模経営【三重県・8月2週号】

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 【三重支局】木曽岬町の有限会社木曽岬農業センター・取締役の古村英之さん(28)は、生産効率を上げるスマート農業に取り組んでいる。
 同社は英之さん、父・精康さん(59)、弟の隼大さん(26)、従業員15人で、米作りから販売、配達まで一貫して行っている。
 水稲180ヘクタール、小麦75ヘクタール、大豆5ヘクタールの合わせて260ヘクタールを全面請け負いし、田植え、稲刈り、トラクター作業の請け負いは延べ350ヘクタールだ。
 この広さを効率良く安全に回していくには、ICT(情報通信技術)の活用が必須と考える英之さん。「効率が悪いと従業員の疲れがたまり、けがや事故のもとになる。安全に働いてもらうことが何よりも大事」と話す。
 2016年には、作業の安全と従業員の働きやすさを最優先に考え、農業経営の課題解決をサポートする、インターネットクラウド利用の営農・サービス支援システム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」を導入した。
 圃場の場所をスマートフォンで確認でき、作業内容の指示を行うため、入社したばかりの従業員でも間違いなく現場にたどり着き、簡単な作業ならほぼ間違いなくできるようになったという。また、栽培記録を画像で管理し、生育差を基に反省や作業の見直しも可能になった。
 作業記録が自動で作成されるため、進捗情報をマップ上で確認でき、従業員同士で情報共有しながら効率良く作業を進められる。仕事の予定や状況の把握だけではなく、収穫した際に水分量やタンパク質量を計測し、クラウド上で管理できるのも魅力だという。

〈写真:「時代に合った農業経営をしていきたい」と英之さん〉