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自家産もち米でしめ縄【栃木県・8月1週号】

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 【栃木支局】塩谷町喜佐見の鈴木孝夫〈すずきたかお〉さん(73)は主食用米1ヘクタールと飼料用米64アール、青刈り用のもち米27アールを作付けしている。
 自宅は山間部にあり、5年ほど前に国庫補助で約8.5キロの防護柵を設置し、イノシシによる被害が減少した地域だ。現在はシカによる食害対策が課題という。「もち米を栽培する圃場ではできるだけ深く水を張り、サイレンや動物の鳴き声が出る装置、ラジオなどを設置して対策しています」と話す。
 もち米はしめ縄用。鈴木さんは部会員24人が所属する「JAしおのや塩谷〆縄部会」の部会長を務める。町のしめ縄作りは、50年ほど前に農閑期の仕事として始まった。「最近では、黄変しないわらを使った強度のある高品質なしめ縄が求められています」と鈴木さんは話す。
 圃場ではできるだけ丈を長く育て、7月下旬の出穂前に収穫。生わらを半日ほど稲架掛〈はさか〉けして天日干しにした後、ビニールハウスに移し平型乾燥機で急速乾燥させる。マルチにくるみ蔵や納屋などの冷暗所で保管し、製作の半日ほど前に葉先から半分ほどを水に漬け、葉を軟らかくした上でしめ縄作りに入る。
 部会では年間2万本ほど、鈴木さんは約千本を出荷。鈴木さんは「製作時間には個人差があります。私の場合は、90センチ(3尺)のしめ縄だと1日20本ほど作れます」と話す。

〈写真:「ポイントは縄の締まりです。きつく締めながら編み上げます」と鈴木さん〉