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リンゴ/ネットかぶせて食害を1割以下に抑制【秋田県・7月4週号】

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 【秋田支局】湯沢市岩崎でリンゴ11アールを栽培する藤田浩之さん(52)は、早生種の「つがる」に赤みが付き始める8月上旬に、木を丸ごとネットで覆いムクドリの食害を防いでいる。
 1本の木に対し約3.6×9メートルのネットを2枚、隙間を作らないようにかけるのがコツだという。ホームセンターで、1枚400~500円で購入し、2年ほど使用。防風の役割も果たし、強風で木が揺さぶられず落果を低減できるメリットもある。
 藤田さんは「地区のリンゴ園地が少ないためか、鳥が自分の園地に毎年集中する。色が着き始めたらすぐに覆うことが大切。何も対策しなければ、7割は食べられてしまうだろう」と話す。
 取り組み始めたのは2018年で、一つの園地で30~40羽のムクドリがネットにかかっていた。対策を続けた結果、昨年は10羽ほどがネットにかかり、リンゴの鳥害は1割以下に抑制。ネットにかかるムクドリ自体が減ったことについて「賢い生き物なのであの園地に近づいてはいけないと学習するのだろう」と分析する。
 ムクドリは2時間でリンゴの木1本分の果実を食べ尽くすことがあり、適切な時期にネットをかけることでこの園地は他と違うと警戒するという。「労力はかかるが、安いコストでその分、リンゴの出荷を守れる」と話す。

〈写真:ネットにかかるムクドリ(昨年9月撮影)〉