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防風林「コスト負担を価格転嫁できる仕組みづくりを【2024年7月4週号】」

 ▼「コメ卸売価格 11年ぶり高値」などの見出しが全国紙や地方紙に並んだ。農林水産省が毎月公表する2023年産主食用米の相対取引価格が24年6月は60キロ当たり1万5865円(全銘柄平均)となり、13年8月(1万6127円)以来の高水準と報じられた。
 ▼相対取引価格は、JA全農など出荷団体と卸や小売りとの契約価格で、市場流通する米価格の指標とされる。ただ、23年産の平均価格は1万5307円で、1万5716円だった19年産に届いていない。
 ▼また、農林水産省が公表する24年5月の農業生産資材(総合)指数(20年=100)が120となったのに対し、農業物価指数は115.1で、特に米は94.2と低い。肥料など資材費の負担は重く、米農家の経営は依然として厳しい状況だ。
 ▼改正食料・農業・農村基本法は、新たに農産物などの「合理的な価格形成」を掲げた。25年中の法案提出を視野にコスト指標づくりなどを検討する。価格の上げ下げではなく、持続的に営農できる水準について、国民的な理解を深める仕組みづくりを求めたい。