農林水産省は、2023年度に策定・公告された「地域計画」は75市町村・265地区だったと発表した。農地利用と担い手を結び付けた10年後の地域農業の設計図で、同省は改正農業経営基盤強化促進法に基づき25年3月末までに全国1672市町村・2万2539地区での策定が必要とする。しかし、昨年11月末時点の見通し(239市町村・1488地区)を大幅に下回り、協議の遅れが鮮明となっている。同省は地域計画への位置付けを一部補助事業の要件とするなど早期策定を促す方針だが、協議の進み具合に応じた柔軟な対応も大切だ。実効性ある計画作りに向け、多様な関係者の参画を促し、地域の実情に応じた丁寧な話し合いを後押しする必要がある。
(2面・総合)