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水田でソーラーシェアリング/持続可能な営農を【山口県・6月4週号】

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 【山口支局】「東日本大震災をきっかけに、食に困らないために農業をしようと思いました」と話すのは、山口市阿東の「阿東つばめ農園」代表・安渓大慧さん(41)。農薬や化学肥料を使用せずに農作物を栽培し、父の遊地さん(72)、母の貴子さん(72)と持続可能な農業を営む。2019年8月に県内初のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を導入し、自然エネルギーの活用に取り組んでいる。
 水稲の圃場約26アールに支柱を立て、上部空間にソーラーパネル(太陽光パネル)を設置して「おひさま発電所」と名付けた。田植機やコンバインなどの農業機械が入れる高さで設計されており、パネル下の圃場で水稲「イセヒカリ」を栽培する。設置当初は多くの見学者が訪れたという。
 「ソーラーパネルを設置すると圃場の3分の1が陰になりますが、平年通りの天候で3分の2の光があれば、作物は育つんですよ」と遊地さん。スマートフォンのアプリで日々の発電量や売電量などが確認できるという。大慧さんは「導入後は、不安定な農作物の収入以外に年間を通した収入が生まれ、将来の営農に向けて安心感が生まれました」と話す。

〈写真:「自分で機械の修理も行います。苦労して育てたお米を収穫するのが楽しみです」と大慧さん(右)と遊地さん〉