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防風林「さかなを食べよう【2024年6月3週号】」

 ▼日本人の1人1年当たりの食用魚介類消費量は22キロ(2022年)で、ピークの約40キロ(01年)から半減。食用魚介類の自給率は56%(22年)で、これもピークの113%(1964年)から半減した。2023年度水産白書によると、消費の魚離れや漁業の厳しい状況は変わらず、魚食文化の危機を感じる。
 ▼現在の漁業従事者数は12万3100人(22年)で前年比4.8%減となった。年齢は65歳以上が4割弱を占める一方、39歳以下も約2割を占め増加傾向という。年間1600人ほどいる新規就業者の7割ほどが39歳以下と説明する。ただ、漁業は海上での長時間労働など負担が多く、体力に合わせて仕事ができる農業に比べリタイアが早いのかもしれない。
 ▼白書は、意識・意向調査の結果を基に消費拡大のポイントを示す。肉類に比べて健康によい効果への期待やおいしさが強みと分析し、価格の高さや調理・後片付けの手間などを課題に挙げた。しかし、昨今は出来合いの刺し身を買う人が多く、切り身なども骨取りずみがある。ほぼ下ごしらえ不要で調理できて食べられるのだ。精肉を調理するより手間はかからず手軽ではないか。
 ▼肉料理もいいが、海に囲まれた日本で暮らすからには、多種多彩な海の幸をおいしいご飯と楽しみたい。おかわりで米の消費も増える。