【石川支局】伝統野菜「加賀れんこん」を栽培する金沢市の農事組合法人デマンドの藤田需代表(47)は、県内では数少ないハウス栽培を2018年に導入。露地栽培7.5ヘクタールとハウス栽培50アールを組み合わせた通年出荷体制を確立し、売り上げを伸ばしている。
「年間通してレンコンが欲しいというお客さんの声がきっかけ」と話す藤田さん。ハウス栽培は露地と比べ1カ月ほど生育が早いため、露地の端境期である6月から7月に収穫・出荷が可能だ。市場では通常より高値で取引されるほか、ハウス内は自然災害の影響が少なく比較的安定した収量が見込める利点がある。
「県外のノウハウを参考に、現場に合った栽培方法を模索した」と振り返る。生育ステージに合わせてハウス内の温湿度と換気に特に気を配る。植え付け後は生育促進のためハウス内の温度を上げ、葉が育つと葉焼けを起こさないよう適温に保つ。換気は根切れしないよう風量や風向きに注視し微調整するという。
〈写真:「端境期の出荷を取引先にアピールできる」と藤田さん〉