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防風林「地域活動と学区の関係【2024年6月1週号】」

 ▼少子化の進展に伴い、小中学校の統廃合が進む。小中学校の学区は、集落や地域住民の生活圏とも重なる。小学校のグラウンドで開かれた地区対抗の運動会も故郷の懐かしい思い出だ。小学校が移転し、いまは運動会もなくなった。時代の変化とはいえ寂しさを感じる。
 ▼総務省が公表した地域運営組織(RMO)の調査結果を見て、改めて学区の意味を考えた。RMOは、地域で暮らす人が中心に組織し、地域を守る活動を担う。全国に7710のRMOがあり、祭や運動会の運営、交流事業、福祉活動などを行う。その7割超が小中学校の学区を活動範囲と回答している。
 ▼文部科学省は、廃校施設を地域の財産として活用する「みんなの廃校」プロジェクトを展開する。2002年度から20年度の廃校数8580のうち施設が残るのは7398。その8割近くが社会教育施設や体験交流施設などに利用されている。
 ▼いまも毎年450校前後の廃校施設が生じており、活用は地域の重要課題だ。農林水産省は、農業の課題可決に農村型RMOの取り組みを推進する。施設活用と農業振興を結びつけた活動も一考に値すると思う。