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防風林「急ぐべきは過度な円安からの脱却【2024年5月4週号】」

 ▼今年の大型連休は、過度な為替の円安と重なり、海外旅行に出る人は出費が大幅な割り増しとなった。カップ麺持参で節約する人がニュースに出ていて、食費を削ったら旅行の楽しみが減るだろうと気の毒になった。一方で訪日外国人にはお得な旅になり、インタビューに宿も食事も安いと笑顔を見せていた。
 ▼農林水産省が公表する米国農務省の月次報告概要では、小麦やトウモロコシの国際相場はすでに一時期の高騰状態を脱し、安値水準の推移となっている。しかし、配合飼料価格などは高止まりが続く。相場が下がった恩恵が円安で打ち消されているためだ。
 ▼厚生労働省が公表した2023年度の毎月勤労統計調査によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年度比2.2%低下した。現金給与総額は増えたが、物価上昇に追いついていない。早急に物価の上昇を超える賃上げを実現しなければ、十分に食料品を買えない貧困層の増加も懸念される。
 ▼昨今の円安には、輸出の比重が大きい企業のトップでさえ喜べないと発言。政府・日銀の市場介入も行われたようだが、状況を打開できていない。円安や食料品の価格高騰に早く歯止めをかけてほしい。だが、国民の窮状をよそに、国会では政治資金の規制をめぐる与野党の攻防が続く。  
 ※前回の本欄で、導入天敵の名称はチュウゴクオナガコバチでした。訂正します。