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防風林「機能性表示食品制度のあり方見直しで思うこと【2024年5月1週号】」

 ▼紅こうじを含むサプリメント摂取による健康被害の問題が明らかになって1カ月を過ぎた。いまだに原因物質の特定や混入の過程など解明されておらず、不安が拭いきれない状況だ。届け出だけですむ機能性表示食品制度自体の問題を指摘する報道もあり、消費者庁は制度のあり方検討を始めた。
 ▼同制度を利用した表示は、野菜や果実などの農作物でも広がっており、議論の行方が気になっている。結果次第だが、少なからず影響が及ぶ懸念もあるからだ。農林水産省ホームページで確認すると野菜や果物の届け出は40品目近く、温州ミカンだけで20ほどの個人や団体が届け出ている。
 ▼農作物などの健康機能性は、農研機構などが成分の特定と解明を進め、農林水産省も生産者や団体による届け出を後押ししてきた。健康機能性の表示で産地の宣伝に役立つだけでなく、健康増進に寄与できる点で生産者の励みにもなる。
 ▼ただ、機能性表示食品の半数がサプリメントと聞くと分割も一案か。成分摂取が目的のサプリメントと丸ごと食べて味わいを楽しむ農作物は別物だ。