農林水産省は先ごろ、卸売市場の仲卸・卸売業者と小売業者間の生鮮食料品などの取引適正化に向けたガイドラインを策定した。同省の調査で明らかになった独占禁止法などの点で問題となり得る事例を9項目に整理し、望ましい取引実例などをまとめた。両者の交渉力に差があるため、小売業者から「不当な返品」や「客寄せのための納品価格の不当な引き下げ」などを要求される事例が確認されている。仲卸・卸売業者の経営が悪化すれば、卸売市場の存亡につながり、ひいては農業者や出荷団体にも影響が及びかねない。同省は説明会を開き、周知徹底を図る考えだ。
(4面・流通)