環境省は23日、イノシシ保護・管理検討会を開き、農業被害などの防止・軽減に向け、個体数低減や低密度維持のための個体群管理手法などについて意見交換した。捕獲強化や豚熱への感染で、2021年度のイノシシの推定個体数は72万頭と、ピーク時からおおむね半減した。一方、温暖化などにより生息地域が拡大。全国の農作物被害額は減少しているものの、地域で差があり人身事故も出ている。検討会では、豚熱が沈静化した地域で個体数が急増しているとの調査結果も報告された。鳥獣被害は農作物被害だけでなく、営農意欲の減退や耕作放棄地の拡大など地域農業に深刻な打撃を与える。捕獲人材の確保・育成を含め、対策の継続・強化が求められる。
(2面・総合)