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収入保険・私の選択 圃場を守り農業続けられる【1月4週号 山口県】

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山口市  高橋 克己〈たかはし・かつみ〉さん(75)
 収入保険には、制度が始まった2019年に農業共済組合の職員の勧めがあり、青色申告をしていたので、すぐに加入することができました。加入した年にキャベツの価格が低下して減収しました。野菜価格安定制度の生産者補給金等交付に比べ、保険金等の受け取り時期が翌年になる上、保険料積み立ての支払い負担が大きく、「収入保険に加入して良かったのかな」と不安になったこともありました。けれど、つなぎ資金制度がありましたし、収入保険に加入していて「本当にありがたかった」と感じています。今は圃場の基盤整備で水稲は栽培していませんが、20年はトビイロウンカの被害を受けました。ここ2、3年は、キャベツの価格低下があったほか、ひょうや大雨による浸水でタマネギが腐り収穫できませんでした。それでも過去5年の実績を基に設定された農業収入が基準となり、自然災害による収入減少を補てんすることができました。22年は2枚目の圃場にキャベツを植え付ける前日、私が脳梗塞になりました。植え付け準備をしていたのに、計画面積の5分の1しか作付けできませんでした。病気になって農業をやめることを考えましたが、「またトラクターに乗りたい。農業がしたい」という一心でリハビリを頑張りました。70歳を節目に生命保険の加入ができなくなっていたので、収入保険のおかげで今も農業を続けることができています。体が動くうちは、妻と一緒にこれまで作ってきた圃場を守り、農業を続けていきたいです。
 ▽キャベツ65アール、タマネギ5アール (山口支局)

〈写真:「おいしいキャベツになりました」と話す克己さん(右)と妻・きみ子さん(72)〉