【京都支局】久御山町で西村農園を営む西村九三男〈にしむら・くみお〉さん(66)は、約2ヘクタールでナスを中心に年間約50品目の野菜を栽培。農産物直売所で試食会を開催するほか、写真共有アプリ「インスタグラム」を活用して顧客獲得につなげている。「農産物直売所でお客さまから『西村さんの野菜、おいしかったわ』と言っていただけるのが本当にうれしい。もっとおいしい野菜を作ろうと励みになる」と笑顔で話す。西村さんは農業に携わって44年、10代以上続く農家だ。就農当初は軟弱野菜、ナス、ダイコンなどを栽培していたが、「もっともうかる農業をするために」と考え、約15年前から多品目を手がける。ナスは「賀茂なす」「ふわとろなす」「フルーツナス」など6種類、キャベツは紫キャベツなど5種類、ダイコンは5種類、カリフラワーは3種類、ほかにはロマネスコ、「紅菜苔(こうさいたい)」など珍しい品目も栽培する。出荷先の農産物直売所3カ所では、試食会を年間4~5回開いて買い物客にアピール。直売所で西村さんの野菜を手にした料理人から連絡が直接入ることもあるという。飲食店との取引は京都府内の高級レストランなど約20店舗と、府外の約30店舗だ。インスタグラムに情報を投稿するのは妻の奈津子〈なつこ〉さんの担当。同農園は「久御山町産業大使」を委嘱されていることから、町内産の野菜の魅力も掲載する。「農業はやり方次第でもっともうかる。農業の魅力や野菜のおいしさを広く伝え、多くの若者が就農してくれれば」と力強く話す。
〈写真:「これからも農業の魅力を伝えていきたい」と西村さん夫妻〉