▼総務省消防庁は、2023年版消防白書を公表した。特集では、大規模災害や新型コロナ、熱中症などに対応した実績などを記述。小型無人機(ドローン)をはじめ実際の救助活動を踏まえた消防防災体制の整備状況を報告する。
▼消防団については「地域防災力の中核」として、一層の充実強化を図る必要性を強調した。減少傾向とはいえ、全ての市町村に設置され、23年4月1日現在で76万2670人の消防団員がいる。消防職員数は全国で16万7861人だ。自然災害の発生を想定すると、地域で暮らし、救命の知識や技術を持つ消防団員の存在は頼もしい。
▼また、近年は女性や学生の団員、特定の活動・役割を担う機能別消防団員が増加しており、青壮年の男性主体から幅広い人材が集まる組織に移行しつつあるようだ。不足する団員の補充にとどまらず、地域に根ざした多様な活動の充実なども期待される。
▼例えば避難所の運営支援では、女性や高齢者への配慮が後手になるとの指摘もある。女性団員がいれば、女性ならではの困りごとにも素早く対応できるだろう。