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収入保険・私の選択 リスク分散、保険は不可欠【1月3週号 福井県】

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 福井県若狭町  田中 正志〈たなか・まさし〉さん(60)
 営農指導員として長年携わってきた中で、担い手不足を感じ、地域農業者の中核になりたいと思うようになりました。2013年にJAを退職し、株式会社チームみかた五湖を設立。スピード感を持って経営判断ができる株式会社方式で経営しています。当初は、水稲と若狭特産「福井梅」がメインの経営でしたが、リスクの分散を図るため、ネギやニンニクなどの園芸作物を積極的に取り入れ、多品目の複合経営にしています。園芸作物は、青果のほか加工品にして付加価値を付けて販売することができます。栽培するニンニクは、一部を黒ニンニクに加工して県内のスーパーなどで販売し、「甘みがあり健康に良い」と好評です。栽培面では土作りに力を入れています。処分に困っていた白ネギの未利用部分をウメの園地に肥料として活用したところ、生育が良くなり収量が安定したことで、土作りの重要性を知りました。現在は地力を最大限に生かすため、スーダングラスなどの緑肥や有機肥料を導入しています。23年は夏の異常な猛暑で主力の白ネギが壊滅的な被害を受けましたが、収入保険に加入していたので、つなぎ融資を受けることができて本当に助かりました。収入保険は品目の限定がなく、どんな不測の事態にも対応できるので、複合経営には必要不可欠で、チャレンジする大きな力となっています。若い人が農業に憧れを少しでも持ってもらえるように、これからもいろいろなことにチャレンジして、地域農業の活性化に貢献していきたいです。
 ▽株式会社チームみかた五湖代表取締役▽水稲7.4ヘクタール、白ネギ1.6ヘクタール、ウメ1.4ヘクタール、ニンニク98アール、エダマメ30アール、レモン30アール (福井支局)

〈写真:レモンの園地で「レモンは管理がしやすく需要が高い。耕作放棄地を活用した果樹栽培を計画中で、若狭初のフルーツランドをつくりたい」と田中さん〉