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ソバ二期作 増産、品質向上へ【1月3週号 新潟県】

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 【新潟支局】小千谷市桜町の「株式会社イチカラ畑(代表取締役・吉田勇童〈ゆうどう〉さん=43歳)」は、雪国では珍しいソバの二期作に取り組み、増産と収穫の分散化でリスク軽減を図っている。同社は2007年にソバ栽培を始めた。「堀之内在来」「キタワセソバ」「とよむすめ」を農薬不使用で有機栽培し、全国の有機JAS認証ソバのシェア40%を占めている。堀之内在来は、魚沼市堀之内地域で栽培される在来種。香りが良い反面、栽培に手間がかかり、収量が少なく、近年ではほとんど栽培されていない。同社の栽培面積40ヘクタールのうち10ヘクタールは堀之内在来で、夏ソバのキタワセソバの収穫後に秋ソバのとよむすめを栽培する。「土壌の成分管理や夏秋の作業が重なる時期は大変です。昨年の猛暑で秋ソバが減収しましたが、夏ソバでカバーできました」と吉田さん。10年前に自社製麺所を造り、製粉から製麺までの工程をタイムラグなく進め、より風味の高いソバや関連商品が提供できるようになった。吉田さんは「今後も作業の効率化や高品質生産を目指し、将来的には自社の飲食店を開店したり、海外出店も視野に入れたりと事業を拡大していきたい」と話す。

〈写真:吉田さんと自社製品。「香りが良い堀之内在来を味わってほしい」と話す〉