2023年は、気候変動の影響とされる災害の激甚化や紛争多発など世界的に食料の生産・供給不安が高まった。国内では長引く物価高騰が家計を圧迫。肥料や飼料、燃料など生産コストの高騰・高止まりを農産物価格に十分反映できず、農業経営は厳しい状況が続く。持続可能な国内生産の確立を基本にした食料安全保障の強化が不可欠となる中、政府は過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換などを軸とした「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」を策定。来年の通常国会への改正案提出を視野に食料・農業・農村基本法の見直しと関連施策の具体化検討を加速させている。この一年の農業・農政をめぐる情勢を話し合った。
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